クリスティアーナ・フィゲレス『国連気候変動枠組条約』事務局長は3日、「国連カンクン気候会議は排出削減の面で一定の進展を遂げるべきだ」と述べた。
フィゲレス事務局長はこの日の記者会見で、「日本やロシア、カナダを含む一部の先進国はすでに『京都議定書』の第2約束期間について具体的な約束をしないと表明した。従って、カンクン会議で、排出削減について法的効果のある協議に達成することはできなくなった。しかし、各方面は依然として、排出削減の問題について討議を続けている。排出削減の問題は気候変動対応の核心である。今回の会議では、この課題について前向きにさらなる一歩を踏み出す必要がある。われわれはさまざまな要素を総合していくべきだ。第1に、相呼応する提案を出すべきだ。工業化国はまず、自らの排出削減提案を出すべきであり、その後、発展途上国は自国の能力に応じて、今から2020年までの排出削減の約束についての提案を出すべきだ。第2に、排出削減の努力について責任追及制と透明性についての枠組を構築する必要がある。つまり、交渉の中で観測可能、報告可能、査察可能と言われる3つの原則を取り入れることだ。またこのほか、先進国が発展途上国の排出削減に対して支援金を提供する必要がある。カンクン会議で排出削減について関連性のある協定に達成するためにはこの3つの問題を一緒に討議するべきだ」と述べた。
3日、カンクン会議は会議開始から5日目に入った。フィゲレス事務局長は「この1週間にわたる会議がいよいよ終結に近ついた。『国連気候変動枠組条約』の下の長期協力特別活動グループと『京都議定書』特別活動グループはなおも意見の聴取を続け、交渉の提案を修正している」と述べた。
「中国国際放送局 日本語部」より2010年12月5日