中国国家海洋局は23日、西太平洋で実施した海洋環境放射能調査の結果を発表した。日本の福島県で起きた放射能漏れ事故が西太平洋および中国の海洋環境に及ぼす影響を把握するため、国家海洋局は6月16日から7月4日にかけて、福島の東方向にある西太平洋海域で海洋環境放射能調査を実施した。調査結果によると、福島の東および東南方向にある西太平洋海域は放射能漏れ事故から大きな影響を受けていることがわかった。
同海域の全サンプルからセシウム137とストロンチウム90が検出されたほか、94%の観測ポイントのサンプルから通常は検出されるはずのないセシウム134が検出された。また、71%の観測ポイントではセシウム137の濃度が中国の海水における水質基準を上回り、セシウム137とストロンチウム90の濃度は最大で中国の基準のそれぞれ300倍と10倍に達した。ヨウ素131は検出されなかった。
海洋生物については、アカイカ(Ommastrephes bartrami)から検出されたストロンチウム90の放射能強度は、中国沿海の生物サンプルの放射線量平均値の29倍に達した。そのほか、中国沿海の生物サンプルから通常は検出されない銀110mとセシウム134が検出された。
福島の東および東南方向にある西太平洋海域が放射能漏れ事故から大きな影響を受けたことから、国家海洋局は国務院の関係部門に同海域から入る海産物の放射線検査を強化し、国民の安全を維持するよう求めた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年8月24日