中国国務院の認可を経て、中国保険監督管理委員会(保監会)は先般、『保険機関の商業銀行株取得についての通達』を下達し、保険機関による銀行株取得関連事項について初めて明確な政策・規定を打ち出した。これは保険資金の直接の株式市場投資の解禁以来、保険資金運用におけるもうひとつの大きな突破であり、保険業と銀行業の協力関係の深化に、深遠な影響を及ぼすことになろう。同『通達』で規定された投資可能比率で計算すると、今年の保険機関の銀行株取得に利用可能な資金は約450億に上る。
『通達』では、保険グループ(持株)会社、保険会社、保険資産管理会社を含む、さまざまな保険機関が国内の国有商業銀行、株式制商業銀行および都市商業銀行など未上場銀行の株式の取得ができることが明確にされている。資金の出所は会社の資本金、返済期限が10年以上の責任準備金などの保険資金および保監会に許可されているその他の資金となっている。
投資目的・規模別では、『通達』は、銀行株取得を一般投資と重要投資に分類しており、5%を下回る銀行株取得は「一般投資」、5%以上は「重要投資」となる。
『通達』では、リスク管理が強調され、保険機関の銀行株取得は必ず以下の比率に関する規定に合致しなければならないことが求められている。▽一般投資および重要投資の残高合計は、当該機関の前年末総資産の3%を上回ってはならない。▽一行あたりの投資残高は、当該機関の前年末総資産の1%を上回ってはならない。その他の重要投資残高は保監会の審査を要するものとする。▽重要投資運営会社の資本金残高は、当該機関の前年末実質資本から累計損失差引後の金額を上回るものであってはならない。
『通達』はまた、「保険機関の重要投資は一般に、商業銀行2行を上回ってはならない」と強調している。このほか、保険機関は10%以上の株式取得となる重要投資を行う際には、社外専門機関が信用調査を行ったうえで、専門的な意見を提出し、関連書類を綿密に審査し、潜在的なリスク、リーガルリスクおよびモラルリスクの回避に努めなければならないとされている。
保監会筋は、銀行株取得は保険資金の株式投資分野で踏み出した第1歩に過ぎず、関連株式投資に関する管理方法はタイミングを見計らって打ち出すことになるとしている。
調査によると、昨年の保険業の総資産は1兆5000億元以上に達している。そのため、一般投資および株式参加類の重要投資の残高合計は、当該機関の前年末総資産の3%を上回ってはならないという規定で計算すると、保険会社の今年の銀行株取得に利用できる資金は450億元に上る。
現在、保険会社による商業銀行株取得のテストが行われている。例えば、「中国人寿(生命保険)」は公開募集の方式で興業銀行の1.75%の株式を取得しており、「中国平安」の深セン商業銀行の89.24%の株式取得についても、関係部門による審査の段階に入っている。
「チャイナネット」2006年10月20日