中国の鉱物資源は豊富である。現在までに171種の鉱物資源が発見され、埋蔵量が判明した鉱物は158種で、そのうち、石油、天然ガス、石炭、ウラン、地熱などのエネルギー鉱物が10種、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、鉛、亜鉛などの金属鉱物が54種、石墨、燐、硫黄、カリ岩塩などの非金属鉱物が91種、地下水、ミネラルウォーターなどの水鉱物が3種ある。現在、第一次エネルギーの92％以上、工業原材料の80％、農業生産財の70％以上は鉱物資源から来ている。

2004年の国土資源調査および地質探査は大中型鉱物産地205カ所を新たに発見し、そのうち、エネルギー産地24カ所、金属鉱産地66カ所、非金属鉱産地113カ所、水・ガス鉱産地26カ所が含まれる。56種類の鉱物の埋蔵量が新たに判明され、そのうち、石油は10億9800万トン、天然ガスは3802億立方メートル、石炭は96億5400万トンである。

中国のエネルギー鉱物資源は埋蔵量が豊富であるが、構成が理想的ではなく、石炭の比重が大きく、石油、天然ガスの埋蔵量が相対的に少ない。石炭資源は次のような特徴がある。①埋蔵量は大きく、種類はそろっているが、品質が均等ではなく、コークス製錬用の良質石炭と無煙炭の埋蔵量は多くない。②分布は広いが、埋蔵量がはなはだ不均衡で、東部が少なく西部が多く、北部が多く南部が少ない。③露天掘り炭鉱が少なく、その上ほとんどが亜炭である。④炭層の中に伴生鉱が多い。オイルガス資源は次のような特徴がある。①石油埋蔵量が大きく、世界に採掘可能な石油資源量が150億トン以上の国が10カ国あるが、中国はその一つである。②資源の判明程度が低く、判明した陸地石油地質埋蔵量は総埋蔵量の五分の一しかなく、近海海域の判明程度はなおさら低い。③分布がわりに集中し、10万平方キロ以上の14盆地の石油埋蔵量が全国の73％を占め、中部と西部地区の天然ガス埋蔵量は全国総埋蔵量の半分以上を占めている。

中国は世界で金属鉱物資源がわりに豊かな国の一つである。世界ですでに発見された金属鉱物は、中国でもほとんどその埋蔵量が判明している。そのうち、判明した埋蔵量が世界第1位にランクされているのは、タングステン、すず、アンチモン、稀土、タンタル、チタンであり、世界第2位にランクされているのは、バナジウム、モリブデン、ニオビウム、ベリリウム、リチウムであり、世界第4位にランクされているのは亜鉛であり、世界第5位にランクされているのは鉄、鉛、金、銀などである。金属鉱物資源は次のような特徴がある。①分布は広いが、相対的にいくつかの地区に集中している。例えば、鉄鉱は主に鞍山-本渓、河北省北部、山西省などの三大地区に分布し、ボーキサイト鉱は主に山西省、河南省、貴州省、広西チワン族自治区などの省、自治区に分布し、タングステン鉱は主に江西省、湖南省、広東省に分布し、すず鉱は主に雲南省、広西チワン族自治区、広東省、湖南省に分布している。②タングステン、すず、モリブデン、アンチモン、稀土など一部の金属鉱物は埋蔵量が大きく、品質がよく、かなり強い国際競争力がある。③鉄、マンガン、アルミニウム、銅など多くの重要な鉱物は品質がよくなく、貧鉱が多く、選鉱、製錬しにくい鉱石が多い。④中小型鉱床の占める比率が高く、大型と超大型鉱床の占める比率が低い。

中国は世界で非金属鉱物の品種がわりにそろっている少数の国の一つで、全国に埋蔵量が判明した非金属鉱物出産地は5000余カ所ある。大多数の非金属鉱物の判明済み埋蔵量は豊富で、そのうち、マグネサイト、石墨、ホタル石、滑石、石綿、石膏、重晶石、硅灰石、明礬石、バントナイト、岩塩など鉱物の判明済み埋蔵量が世界の上位にランクされ、リン、高嶺土、硫鉄鉱、硫酸ナトリウム、珪藻土、沸石、真珠岩、水泥灰岩など鉱物の判明済み埋蔵量が世界で重要な位置を占め、大理石、花崗岩などの天然石材は、品質がよく、埋蔵量が豊富だが、カリ岩塩、硼素資源は相対的に少ない。

中国の判明済み天然地下水資源は年間8700億立方メートル、採取可能な量は年間2900億立方メートルで、地下微かん水天然資源は年間およそ200億立方メートルである。地下水資源の分布は不均衡であり、南部地区は豊富であるのに対し、西北地区は乏しく、地下水の含水層類型の地域的分布ははっきりし、土地の隙間から出る水は主に北部に集中し、カルストを通って流れ出る水は西南地区に広く分布している。