▽関税問題
中国市場は巨大だが、日本のブランドにはまだ中国のネット通販に一抹の不安がある。日本の消費者だと買った商品が気に入らなければ期限内であれば返品できる。一方、中国の消費者が日本の商品をネットで買うと返品の場合が面倒なのだ。国際取引であれば自然と関税の問題もかかわってくるが、今のところ曖昧なままだ。
中国の消費者が日本で買った一部の商品は帰国の際、免税となるなど一部の商品は免税扱いになると報道されている。だがすべての商品が免税になるわけではない。
佰宜杰.comには次のような注意書きがみられる。「税関での検査でお客様の商品が関税対象となった場合、関税は購入側が負担することになります。予めご了承ください。税関で商品検査する場合やお客様の商品に関税がかかる場合、税関から直接連絡があります。税関の手順に則って商品をお受け取りください。このような事態が発生した場合、佰宜杰ではお客様にお知らせすることも代理に処理することもできませんので予めご了承ください。」
ネットで海外の商品を買ったことがあるネットユーザーによると、中国の税関が取っているサンプリング検査の方法だと、荷物の中に商品取り引きの疑いがあると思われるものはすべて関税が徴収されるという。電子製品や化粧品などはいずれも関税対象となる。日本のブランドからすると、関税が高いと消費者が割に合わないと思うようになるのが心配だ。
このほかにも日本の対中国電子商取引の総合サービスや環境が整っていないことも、日本のブランドが中国市場向けのネット販売を大規模化できない理由のひとつとなっている。