有人宇宙船「神舟10号」を搭載した大型輸送機が31日午前、北京から甘粛省の酒泉衛星発射センターに向けて出発する。中国航天科技集団・科学技術委員会主任の包為民主任は「神舟10号の各任務が順調に完了すれば、中国は有人地球-宇宙往還輸送システムを確立したことになり、中国の宇宙事業は宇宙ステーション建設の段階に入る」と語った。中国新聞網が中央電視台(CCTV)の報道を引用して伝えた。
神舟10号の総設計師・張柏楠氏は「中国の有人宇宙飛行技術は現在のところ、地球-宇宙の往還輸送という問題を解決したに過ぎない。将来的には共同運営の宇宙ステーションを建設し、人類が長期的に軌道上で生活する問題を解決しなければならない。今後の任務・課題はかなり厳しいものとなるだろう」と指摘、「宇宙ステーションを建設する上で、ドッキング技術は絶対に把握しなければならない技術。2つの宇宙機のドッキングに成功して初めて、宇宙飛行士や貨物は地上と宇宙ステーション間を自由に行き来することができる。神舟8号、9号、10号の任務では、まさにこの技術を検証した。宇宙ステーションの建設に向けては、さらに多くの技術を掌握する必要がある」と語った。
包主任は、「我々は今後、小規模なスペースラボの開発、および宇宙貨物船の開発を進めていく。現在我々は、宇宙飛行士と少量の実験設備をスペースラボに送り込む能力を有しているが、今後はより大規模な設備を輸送する必要がある。このためには、引き続き難関突破、開発、検証を重ねていかなければならない」とした。
包主任によると、宇宙ステーション実験機「天宮2号」の開発が現在進められているという。「本格的な宇宙ステーションが完成する前に、一連の試験を実施する必要がある。これを天宮2号で行う。天宮2号の開発段階においては、宇宙船やスペースラボへの推進剤注入実験などを実施する。この計画を実行するためには、次世代キャリアロケットが必要となり、具体的な業務は第13次五カ年計画に組み込まれるだろう」と語った。
「人民網日本語版」2013年6月8日