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出る杭は豪華に祭られる パート1
発信時間: 2010-02-02 | チャイナネット

春節期間中、いまは東京に滞在していますが、やはり北京に比べてはるかに気温が高いので、すごしやすいですね!というよりも、耳あて、厚手の手袋や寒気遮断用マスクといった北京では必携の「サバイバルツール」を携えていなくても、街をあるけるのが、却って不思議な感じです。

最初にみなさんに抽象的な質問をしてみます。

「組織は制度に従う」ということをきいて、みなさんどう思われますでしょうか??

ある方は、制度は決められたものなんだから、それに従うに決まっているじゃないかと思われるかもしれませんし、またビジネスパーソンの方であれば、制度にあわせられるところはあわせて、あわせる必要がないところはうまく切りぬけるんだ、という方も多いかもしれません。

そもそも制度というのは、その制度が対象とする人や組織として、出来る限り多くの対象が妥協できる解であったり、結果的な総和として最大の便益が達成されているようにできていますよね。法律などは、その典型だと思います。

ビジネスの観点から考えると、往々にして制度はコストの一部であることが多くありますよね。ここでの制度とは、法制度のようなインフラを規定するような基礎的なものではなく、よりマーケットを重視したり、企業が利潤追求目的であると達成されないような社会的目的(たとえば環境基準など)としての制度を意味します。

この観点からすると、インフラとして扱われる基礎的制度(たとえば刑法のようなもの)は、大方の妥協解であると歴史的に証明されていたとしても、ビジネスで課されるような暫定的で、挑戦的で、応用的で、未解決な制度については、それぞれの人、組織の「立場」によって多くの見解がわかれるところになります(制度理論や社会的責任などの議論が学術ではあります)。

この曖昧な未解決なビジネス制度について、日本と中国の組織(ここでは便宜的に伝統的営利企業としておきましょう)がどのようにこの制度をうけとめるかは、面白いところだともいませんか?? 実は、これはまだ研究成果がはっきりしているわけではないので、僕のアイディアレベルでのお話になってしまうのですが、調べていくと、これが日本と中国の企業の動きが違いそうだなというところが見えてきたりするんですね。冒頭の質問をふりかえれば、「日本の企業は、制度に従うのか?」、「中国の企業は、制度に従うのか?」という問題になります!

(次回へ続く)(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)

 

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「チャイナネット」 2010年2月2日

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