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第9回 同窓会
発信時間: 2008-11-11 | チャイナネット

日本では、小学校、中学校、高校、大学を卒業した後も、よく同級生、同学年の人たちで集まります。これを「同窓会」とよんでいます。そのためには、まず、卒業生の連絡先を誰かが管理する必要があります。高校、大学では、卒業生の連絡先を管理し、名簿を作る組織が作られている場合が多いようです。あるいは、ヴォランティアで、そのような名簿を作成し、会合を組織する人もいます。これを「幹事」と呼びます。

私が卒業した中学・高校(6年間一貫教育の学校でした)には、「同窓会」事務局があり、毎年会費を支払うことになっています。そうすると卒業生の名簿を送ってくれます。その名簿には、卒業生たちの現在の住所、勤務先などが分かる範囲で書いてあります。この中学・高校でも、年一回、学園祭を開催していますが、卒業生たちも気軽にきてほしいといつも学校当局が呼びかけています。

卒業生の同学年の友人達でも毎年何回か集まります。11月6日に東京の飲食店で20名が集まり、一緒に夕食を食べました(写真)。写真にうつっている人たちは、私が同じ中学・高校で6年間一緒に勉強した同級生たちです。男性ばかり写っているのは、男子校だったからです。年齢がバラバラのように見えるかもしれませんが、実際は皆同じ年です。私たちが高校を卒業してから32年が経ちます。高校卒業後、ずっと会わなくて、初めて会った友人もいて、最初は名前と顔が一致しない人もいましたが、すぐに昔のように話しをすることができます。

こういう時の会費は、日本語で言う「割り勘」です。つまり、経費を均等割りして、皆が自分の分を支払います。あまり高額なお店ではなく、庶民的なお店で集まります。11月6日の会食の際は、一人6~7千円位でした(400人民元位)。

私が卒業した大学は、最近卒業生達にニュースレターを定期的に郵便で送ってきてくれます。私も受け取っています。大学と卒業生とが交流を深め、一緒にいろいろなプロジェクトをやろうという提案もあり、卒業生とのネットワークを大切にしたいという意気込みのようです。また大学が更に発展するために寄付をするようにとの要望も受けています。

私は一年間だけアメリカの大学院に留学していましたが、そこからも定期的にニュースレターを今でも郵送してきてくれます。

中国の改革・開放が開始されて以来、中国人は沢山日本に留学していますが、彼らが日本で勉強した後、中国に帰国してから、中国で同窓会を作っている例があります。私も、そのような同窓会で、北京において東京大学、九州大学、神戸大学、広島大学などの集まりに参加したことがあります。たとえば、郭沫若氏は九州大学医学部に留学していましたが、北京で開催された九州大学の卒業生達の同窓会には、郭沫若氏のお嬢さんが特別ゲストとして参加してくださいました。今、日本の多くの大学が北京、上海、天津などに事務所を設置しています。それは、中国の大学・研究機関との交流・協力を一層深めることが目的ですが、そのような協力に、卒業生たちが協力してくれることを強く期待しているようです。

中国の大学の卒業生たちが日本で同窓会をつくっている例もあります。たとえば四川大学がそうです。四川大学には私も訪問して、日本語教育を強化するための支援について話しあったことがありますが、日本との交流を非常に重視してくれていることはありがたいと思います。四川大地震の際には、成都にいる元日本留学経験者たちが、日本からの支援チームと協力して、一緒に働いていただきました。このような卒業生のネットワークを大切にしていきたいと思います。

(井出敬二 前在中国日本大使館広報文化センター所長)

「チャイナネット」2008年11月11日

 

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