中日両国>>視点
日中関係を考える5つの視点
発信時間: 2008-01-04 | チャイナネット

うまく付き合うには

中国の学校の教壇に立つ筆者

「日中関係は重要だ」。この言葉を何度耳にしたか分からない。人々の日中関係への現状認識はさまざまだが、「日中が付き合う必要なんてない」という言葉を直接耳にしたことはない。「日中関係の重要性」は人々の認識の前提になっているのだ。

しかし両国関係は複雑で、構造的問題を抱えている。「日中はいかに付き合うべきか」。それを考える5つの視点を記してみたい。

まず一つ目が、「政治の役割」である。昨年と一昨年、両国関係が敏感で、国民感情が相当悪化していたころ、ビジネスマンは口をそろえて言った。「政治は何もしないでくれ」。それは本心だったと思う。

政治は、ビジネスマンやマスコミ、学者、若者などの両国の民間人が円滑に交流を進め、互いの国民感情が相対的に安定するよう、良好なフレームを創る責務がある。国内政治的な理由から外交関係が緊迫することもあるが、そこは互いの政治力でコントロールされるべきだ。

二つ目が、「多様化」である。日中関係は日増しに多様化している。政治、経済、貿易、文化、若者、マスコミ、芸術など多角的なコミュニケーションが展開される時代に突入している。「政治の役割」が発揮されれば、単なる「多様化」が「ダイナミズム」にシフトしていくだろう。

三つ目に、「国際社会の中の日中関係」という視点を挙げたい。グローバリゼーションが浸透し、いい意味でも悪い意味でも各国の「相互依存」が深化する今日、日本と中国は国際社会とどう付き合っていくべきなのだろうか。東アジアは注目され、世界におけるポジションも上昇中だ。この現状下で、日中両国が責任ある行動を取るというのは大前提になる。二カ国関係をうまくマネージして、東アジア協力を促進していく十分なモチベーションはすでに存在する。あとはアプローチの問題だ。両国で智恵を出し合いたい。

四つ目が、「忍耐」である。私は昨今の日中関係を、安易に「好転」「悪化」「雪解け」といった言葉で表現することに反対だ。感情的になってはいけない。本質的に両国間に横たわる問題を克服するには、まだまだ長い時間が必要であり、我々には「忍耐」を持って、地道に取り組んでいく以外に道はない。

大切な「学ぶ心」

最後が、「学ぶ心」である。私はいつも思う。なぜ両国はもっと「相手国のここが優れている、我々は学ばなければならない」という言論が巻き起こらないのだろうか。両国にはお互いに学べる分野がたくさんある。日本人の勤勉、道徳心、中国人の向上心、包容力。学ぶ心が育たないと、ヒトは驕る。そこに「寛容」「尊重」は存在しない。

最近、一冊の本『七日談―民間からの中日対話録』(新華出版社)を出した。中国の著名な監督、山奇氏との共著である。今年は日中国交正常化35周年、文化スポーツ交流年である。『七日談』は、より多くの人々を「日中コミュニケーションという舞台」に巻き込みたいという思いで書いた。

私は、両国民が「互いに学ぶ」というスタンスを貫き、多角的で、絶え間ない努力を続けることによって、日中間は必ず分かり合える、ともに未来を創っていけると信じている。 (北京大学国際関係学院留学生 加藤嘉一)

「人民中国インターネット版」より2008年1月4日

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