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日本で広がる友情の輪(1)差し伸べられる温かい手
発信時間: 2008-07-07 | チャイナネット

赤い募金箱

東京・渋谷区に、目立たない中国語のクラスがある。「クレセント外国アカデミー」というこの8平米にも満たない教室では、十数人が勉強している。壁側にある資料箱の上に赤い箱が置かれていて、その上に「中国の被災地への募金」と書いているのが目を引く。

大和地区日中友好協会は街頭で募金活動を行った

「クレセント外国アカデミー」に置かれた募金箱(写真・尾関雅俊)

コンビニエンに設置された義援金の募金箱

中国・四川省でマグニチュード8の強い地震が起こった後、クラスの一人の生徒が被災地への募金を提案し、この赤い箱が置かれた。教室の責任者の尾関雅俊さんは「日本は地震大国です。私たちは地震の怖さを、身をもって知っています。あれほどの大地震の前では、この小さい箱の中に入れられたお金は微々たるもので、言うに足りませんが、私たちの気持ちを表しています」と言った。

神奈川県の小田急線の大和駅前では、数人のお年寄りが募金箱を抱えたりスローガンを手に持ったりして、道行く人に募金を呼びかけた。彼らは大和地区日中友好協会のメンバーで、5月25日から毎週末、駅前で募金活動を行っている。

私も彼らの輪の中に入り、「一日体験」をしてみた。募金箱を抱え、駅前を通る人々の前に立つと、なかなか声がでない。隣りのお年寄りは「お願いします!中国の四川省のために募金をお願いします」とひっきりなしに叫んでいる。その声は良く通り、感情がこもっているので、道行く人々を引きつけるパワーがあるらしい。やはり隣りに立って募金を呼びかけていた中年の男性は、私がずっともじもじして、声が出ないのを見て、こう言った。「私たちが努力しているのは、人の命を救うためだ。恥ずかしくなんかないよ。勇気を奮い起して、声と心で道行く人々を感動させよう」

大和地区日中友好協会の石井功さんの話によると、24、25日の2日だけで集まった募金は10万円を超えたという。石井さんがもっとも心打たれたのは、名前も知らないある中学生のことだ。彼は駅を通るたびに、募金箱に10円を入れる。そのお金は、お小遣いを節約したものだった。

「日曜中国語サークル」のメンバーたちも街頭募金を行った。「日曜中国語サークル」は中国語を勉強する日本人と日本語を勉強する中国人で構成されたグループで、地震発生後、彼らは自らお金を寄付するだけでなく、募金活動も行なった。メンバーの一人の唐木陽子さんは1カ月の生活費に当てている年金の半分を寄付した。

こうした草の根の募金活動は、普通の日本人が、中国の人々にどれほど温かい気持を抱いているか、を示していると思う。

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