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元駐日特派員林国本さんの眼:「物の見方」 |
発信時間: 2008-09-12 | チャイナネット |
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さいきん、中国経済を研究している日本の一橋大学の関満博教授とコーヒーを飲みながら、名刺を交換し、ご高説を拝聴する機会に恵まれた。
関満博教授については、筆者がまだ現役のジャーナリストだった頃に、中国の温州についてのその論文を見たことがある。一日本人がこれほど正確に温州の中、小企業について書いているのに目からウロコが落ちる気持になったことを今でも覚えている。教授はいずれ寧夏回族自治区の中、小企業、ひいては産業全般についてのレポートを上梓するつもりだとも語っていた。こういうものは、中国側としても関教授の版権(知財)を尊重することを前提として、即刻翻訳すべきだと思う。正確な視点を10年早くキャッチすれば、10年のまわり道を避けられることは常識の中の常識である。この10年間の時間をムダにしなければ、10万元そこいらの翻訳出版料なんか安い安い。1000億元の投資の節約になるかもしれない。
関教授をはじめその他の人たちの話を聞いて、筆者は自分の「中国の開発戦略」についてのジャーナリステックな視点をファイン・チューニング(微調整)する必要性を感じている。学びて自らの足らざるを知るのは、はずかしいことではないと思う。
要するに、沿海工業地帯の高度成長、太平洋の向こう側との貿易への依存のみでなく、中国の西部のように大胆に発想を転換して、石油資源の潤沢な中央アジアやアラブ世界との貿易、往来に着眼し、地元の強みを生かし、ユーラシア・ランドブリッジを存分に利用して、ブランド力のある製品をどんどんつくり出せば、人件費の高騰で悩む東部に追いつくのもはやいのではないだろう。 「北京週報日本語版」2008年9月12日 |
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