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新しい角度で見た中日関係:君子も「銭」を語るべし
発信時間: 2008-12-02 | チャイナネット

最近、ドルは引き続き下落し、国際原油価格や食糧、非鉄金属の先物価格は高騰に次ぐ高騰を続けているが、米国はドルの国際通貨体系の中での地位を利用し、全世界に米国のツケを回している。もし欧州のように、アジアが中日を中心に、ロシアやインドも加わって4カ国中央銀行が共同でアジア中央銀行を結成し、共通通貨「アジア」を発行し、国際通貨体系の第三極となって、ドルによる略奪に共同で対処すれば、世界の金融体系は新たな局面を迎えるだろう。

国際経済の発展から見れば、地域経済の一体化は、今後の趨勢である。地縁的政治や資源の相互補完性から、またアジア各国の長期的利益から見て、アジア中央銀行の設立や共通通貨「アジア」の発行も、積極的に考慮すべきだといえる。

当然のことながら、「銭」は万能ではない。金銭で真心を買うことはできない。中日の二国間関係についてもそうだ。近代の不幸な歴史や、歴史認識の問題で曖昧な、ひどい場合は誤った立場に立っている少数の人々が日本社会の中に依然として存在していることから、中国と日本の二つの大民族の間には依然、わだかまりがあり、両国関係のさらなる発展に深刻な影響を与えている。

最近、私は何回も「中日共同歴史研究会」の数人の中国側委員と「歴史を正視し、未来に目を向ける」問題について語りあったが、誰もが「友好は易しく、理解は難しい」(竹内実氏の言葉)こと、さらに共通認識に達するのはもっと難しいことを痛感した。歴史の事実を正視することを前提にせず、ただ経済的な意義に基づくだけの協力によって、歴史のこうした一ページをそそくさとめくっしまうことができるというのは、ただの一方的な願望に過ぎないことは明らかだ。

そのほか、東アジアの隣接する大国として、中国と日本は必然的に戦略的利益の対峙と対立に直面する。長年の累々たる歴史上の問題と現実的な利益との紛争とが相まって、これらを一挙に解決することをいっそう困難にしている。こうした中、冷戦思考やゼロサムゲームの観念を捨て、誠実な政治的信頼を構築し、大局に立って遠望することの重要性は明らかだ。

最後に、「銭」の話題に戻れば、私は、楽観的に予測している。おそらくそう遠くない将来、中国と日本は、歴史を正視し、政治的に互いに信頼するという前提の下で、金融協力が実現するだろう。人民元と日本円のほかに、さらに東アジアの地域経済を統轄する新たな「商品の等価物」である共通通貨「アジア」を出現させるだろう。当然、共通通貨「アジア」はこれまでのような「銭」としての機能を脱することはできない。しかし戦略的互恵関係の原則の枠組みの下で暮らしている中日両国民にとっては、未来の通貨「アジア」は両国の人々にとって福音となるだろう。

「人民中国インターネット版」より2008年12月2日

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