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思い立ったら前進あるのみ 50代主婦増田はるみさんの留学記
発信時間: 2009-03-24 | チャイナネット

北京に滞在した印象はいかがですか?

一番の印象は、生活力が旺盛だということです。春節(旧正月)が近かったせいか、地下鉄の中でも大きな荷物をかかえた人がたくさんいました。知らない人に話しかけられることが多いのも日本とは違いますね。パン屋さんでもほかのお客さんに「これ、おいしいのよね」と話しかけられたり、スーパーのレジの娘さんと仲良くなったり。男の人が楽しくたわむれている姿も日本では見られない光景だと思います。「空竹(唐ごま)」を回したり、羽根けりをしたり、将棋をさしたりしている男の人がたくさんいました。日本では「大の大人が遊ぶのは悪いこと」みたいなイメージがありますけど、こちらの人たちはあまりあくせくしていない。大陸的というのでしょうか。

中国将棋をする街角の「大人」たち

公共の場でのマナーや衛生の面ではまだ改善の余地があると思うこともありました。トイレで列を作る時なども、日本では「フォーク型」の並び方が普及していますが、中国ではまだドアごとに並ぶことが多いようです。私としては、物事には全て良い面と悪い面があるのだから良い面を見て行きたいと心がけていました。それでも車の運転はちょっと気をつけた方がいいかな。住んでいたアパートのすぐ前でもオートバイの事故がありました。

これから留学を志す方にメッセージをお願いします。

「一衣帯水」といわれるだけに、中国と日本は距離的にも文化的にもとても近い。経済や文化、スポーツなど各分野での交流もますます深まっています。それでも忘れてはいけないのは、この2つが異なる国であり、「常識」を超えたこともしばしば起こるということです。欧米圏のようにもともと日本との違いがはっきりした国であれば、その違いを見つけることはたやすいし、違いを受け入れることも簡単にできます。中国については、日本人に顔が似ているとか漢字を使うといった共通点がある分、違う国として認める努力が必要なのではないでしょうか。外国にいる以上、日本の尺度や常識は通用しません。一人の人間として、新鮮な気持ちで向かっていくことが大切です。違いを違いとして受け入れることでこそわかることがあります。

私は、ちょっとの勇気と周囲の支えによって、「次のステップ」に踏み出すことができました。外国語を勉強していらっしゃる方には、たとえ短い間でも、現地での学生生活を体験してみることをお勧めします。言葉の根付いた土地の雰囲気や様子を知ることができれば、外国語に対するこれまでとは違った感覚を持つことができるはずです。留学の秘訣はやっぱり「案ずるより産むがやすし」ですね(笑)。

最近、若者の海外への興味が薄れつつあるという。明確なデータがあるわけではないが、海外についての情報や海外にわたる手段が豊かになったのに対し、あこがれや好奇心といった海外へのイメージが変わりつつあることは確かだろう。勉強ならどこでもできる、元手となるお金がない、海外よりも近くの温泉・・・。若者のはしくれたる私としてはうなずけない部分がないことはないが、パワフルで行動力にあふれたシニアの皆さんと比べれば、案ずるばかりの「若さ」を恥じる気持ちにもなる。「何でも見てやろう」というドンキホーテ的な決意を新たにするとともに、挑戦しつづけるはるみさんにエールを送りたい。

「人民網日本語版」2009年3月24日

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