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道上公使インタビュー②金融危機と中日経済状況
発信時間: 2009-07-21 | チャイナネット

道上公使インタビュー①中日関係の現在と今後の課題

道上公使インタビュー③環境取り組みと協力

道上公使インタビュー④中日両国の若者の違いと中国メディアの印象

道上公使インタビュー⑤中国で印象深かったこと

 

(二)金融危機と中日の経済状況、中日のビジネス提携

在中国日本大使館の道上尚史公使

――金融危機のもとで中国も影響を受けていますが、日本は相当なマイナスの統計が出ています。日本経済の強さは今後も続くのでしょうか。現状と見通しを教えてください。

日本も厳しい状況にあるのですが、一つ確実に言えるのは、ヨーロッパのいくつかの国は金融システムが揺らぎ国内消費が相当減ったけれど、日本はちがうという基本的な差があることです。

昨秋からこの春にかけ、日本経済の数字はマイナスが大きい印象がありますが、原因のひとつは日本の優秀なグローバル企業の対応の早さです。アメリカの景気が悪い、或いはヨーロッパで物が売れないときは生産を2割3割カットし、または工場を作る計画をしばらく凍結する。その影響が波及し、マイナスが一時的に結構大きくなるということはあるのですが、逆に回復するときも速いと思います。

日本経済の強さ、皆が真面目に少しでもよい製品を作ろうとする「ものづくり」の情熱、高い技術力、現場の第一線でのイノベーション、そういう日本人の長所はまったく変わっていません。苦しい面はありますが、それほど大きな心配をする必要はありません。最近日本の報道でも、景気が底を打った、一番悪い時期は脱した、或いは脱しつつあるということで、これから期待しています。

 

――回復するには半年、一年か、もっとかかるのでしょうか。

日本の景気は日本だけで決まる話ではなく、欧米ほか世界各国の景気との関係の中で決まるので、何カ月というのは難しいですが、できるだけ早くと願っています。

 

――日本企業向けに、中国撤退をテーマとした講座があると聞きましたが、これからの中日両国のビジネス面の提携をどう捉えていますか。

日中ビジネス提携の空間はますます広がっていくでしょう。ビジネスですから、損失を出した日本の会社もあるでしょうが、北京で見ていて、日本企業がほかの国より撤退が多いなどとは聞いたことがありません。

日中企業の協力というのは、お互いにウィン・ウィンです。日本企業にとって、中国市場はとてもよいビジネスチャンスの場となります。また、高い技術力や生産管理の方法などは、中国の企業にとってもメリットです。ビジネスベースで、中国の鉄鋼会社が、二酸化炭素排出を削減する日本の環境技術を導入した例もあります。

「チャイナネット」 2009年7月21日

 

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