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日本政界の「世襲制」
発信時間: 2009-07-21 | チャイナネット

日本の政界には長年来、特殊な「家族世襲」現象が存在し、ある意味において、過去数十年間の日本の経済成長と政治の安定にプラスの役割を果たしてきた。だが同時に、「世襲」現象は政界の関係を過度に複雑化させ、金で権力を買う醜聞も時折起こし、政治・経済改革を一層困難なものにしてきた。実際、戦後のほぼすべての首相は「世襲議員」であり、その典型的な例が最近の3首相だ。この3人は不運続きで、安部晋三氏と福田康夫氏はともに就任後1年足らずで辞任。現在の麻生太郎首相も衆議院解散と総選挙の前倒し実施という惨めな局面を前にしている。安倍、福田、麻生の3首相が「世襲政治」を袋小路へ引き込んだとの声もある。「新聞晩報」が伝えた。

 

■「世襲制限」のカードを切った鳩山由紀夫氏

現在、麻生首相の最大のライバルは、野党民主党の新代表である鳩山由紀夫氏だ。支持率を見ても、鳩山氏はすでに麻生氏を上回っており、その優位は明らかだ。だが、たとえ民主党が本当に自民党を倒し、鳩山氏が首相に就任したとしても、日本政界の「世襲の風潮」は継続する。鳩山氏も有名な「世襲議員」の1人だからだ。

衆議院議員に過去7回当選している鳩山由紀夫氏は、鳩山一郎元首相の孫、鳩山威一郎元外相の息子にあたる。弟の鳩山邦夫氏も衆議院議員だ。1986年に鳩山威一郎氏とその2人の息子が揃って国会議員になると、鳩山家と米国のケネディ家を同列に論じる海外メディアもあった。

だが民主党は、すでに「世襲議員」が国民から唾棄されているという現状にはっきりと気づいている。今年早くに、民主党は国会議員の子どもや配偶者その他近親が同一選挙区から立候補することを制限すると発表した。こうした候補者はその選挙区にすでにある近親の地盤を借りて当選することがよくあるからだ。この方針は民主党の党規とマニフェストにも盛り込まれ、民主党の支持率をさらに押し上げた。

一方、麻生首相を含む自民党関係者はその言葉を濁し、「世襲議員」制限の意義を問い質している。最も強く反対しているのが鳩山由紀夫氏の弟で、麻生内閣の総務大臣だった鳩山邦夫氏だ。鳩山邦夫氏は「もし本当に世襲を制限するのなら、日本の二大政党の中核にいる人物がみな政界を去るべきだ。彼らはみな政治家の家の出なのだから」と皮肉った。だが鳩山邦夫氏は、日本郵政の西川善文社長の続投に反対して憤然と辞任し、今や「麻生降ろし」の一員でもある。

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