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悲惨な歴史を明らかにした免田氏の著書 |
免田栄氏は、日本の歴史的な冤罪事件の犯人として死刑を言い渡され、その後死刑囚として日本で初めて無罪判決を獲得した。まもなく80歳になる免田氏はこのほど本を出版し、拷問で自白を強要されて入獄した当時の状況を世間に発表、死刑囚牢で過ごした1万2410日間を振り返るとともに、日本の死刑囚牢の様子を明らかにした。
「死を待つことも1種の苦しみ」
1948年12月30日早朝、免田氏の家の近くにある祈祷師の家に殺人犯が押し入り、刀と斧で祈祷師夫妻を殺害した。免田氏はこのとき、この事件とは全く関係のない、玄米の窃盗容疑で逮捕されていた。彼にはアリバイがあり、また動機もなかったにもかかわらず、警察は免田氏に弁護士を雇うことを許さず、拷問で強制的に自白させた。1951年、免田氏は死刑判決を言い渡され、福岡拘置所に入れられた。免田氏の身の潔白が証明されたのは、それから43年後のことだった。
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当時を思い出し、涙を流す免田氏 |
免田氏は死刑監獄で過ごした1万2410日間に味わった苦難を忘れることが出来ない。免田氏は「死刑囚たちは、恐怖の中で生活している。毎日が、この世で生きる最後の一日になるかもしれないからだ。死を待つことも1種の苦しみであり、死よりも恐ろしいことだ。絞首刑執行の前に、犯人に与えられる時間はたったの数分間だ」と述べる。
国際的な人権組織アムネスティ・インターナショナルは、「日本の死刑囚の中には、死刑を待つ苦しみに耐えられず、精神分裂に陥る人が多い」と表明している。
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