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今後重要となる中日韓の金融協力
発信時間: 2009-10-14 | チャイナネット

10日に北京で開かれた第2回中日韓首脳会議で、「持続可能な発展に関する共同声明」(以下、「声明」とする)が取り交わされた。3カ国間は経済・貿易、科学技術、エネルギー、気候変動への対応などの分野における協力に向け、明確な計画を立てた。残念なのは、金融分野での協力について取り上げられなかったことだ。中日韓は今後、金融協力の強化をさらに重要な位置に置くべきだと筆者は考える。証券時報が伝えた。(文:王勇)

▽中日韓の金融協力に備わる物的基礎

中日韓3カ国の金融協力は貿易投資の発展というこの物的基礎の上に築かれる。北東アジア地域各国は自然資源・労働資源・産業構造上、大きな相互補完のメリットが存在することは周知の事実だ。80年代以降、中日韓の経済的つながりは密接になり、貿易依存度も高まっている。ここ数年、中日韓は外交・科学技術・情報通信・財政・人的資源など15の閣僚級会議のメカニズムを構築し、金融危機への対応や北東アジアの平和と安定の保護など重大な国際問題や地域問題において協力を強化し、地域協力を力強く推し進めてきた。更に重要なのは、3カ国の貿易額が急激な伸びをみせていることだ。資料によると、中日韓の貿易は現在、北東アジアの貿易の80%、直接投資は地域内投資の70%を占めている。しかも、中国は日本と韓国にとって最大の貿易相手国であり、日本と韓国はそれぞれ中国にとって3番目と6番目の貿易相手国でもある。GDP総額は3カ国で世界の5分の1を占める。中国の08年の統計データによれば、中日の貿易額は2000億ドルを突破、中韓の貿易額は1500億ドルに迫り、日韓の貿易額も1000億ドルに近づいている。日増しに緊密になる経済・貿易の協力関係によって金融協力のための物的基礎が固められている。

▽金融協力の現実的ルート

まず、3カ国間の決算システムを構築すること。中日韓間の金融協力を推進するには、経済・貿易の一体化を土台と前提とする必要がある。決算システムの構築は金融協力の重要な項目であり、経済協力強化の土台でもある。現代化された決算システムは3カ国間貿易における非ドル決算をスムーズに実現し、中日韓間の貿易と投資規模の拡大に便利なサービスを提供すると同時に、国際金融市場における3カ国の通貨の利用率を高め、アジア通貨の国際化を実現し、将来的な北東アジアの通貨一体化のための条件を生むことになる。

次に、共通の為替相場変動メカニズムを導入すること。貿易取引、実物取引、金融取引の頻繁な地域では、為替相場の安定が実物取引を維持する必要条件となっている。北東アジア地域の人民元、韓国ウォン、日本円は為替変動の違いが比較的大きい。現在の情況をみると、韓国のウォンと人民元はドルに強いのに対し、日本円はドルに弱い。通貨間のレート変動は対ドルレートに比べ波がある。こういった理由から筆者は、3カ国に共通の為替相場変動メカニズムを導入し、ドルという単一の為替レート変動にだけ注目するのではなく、北東アジア地域単独の為替相場変動システムを構築することを提案する。これにより、中日韓における金融協力面の開きが縮小するだけでなく、実物取引を強化する役割も果たす。

第三に、北東アジア金融市場を徐々に構築すること。中日韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)の「10プラス3」協力メカニズムは発足以来、すでに外貨準備高800億ドルの基金を共同設立、08年末の中日韓による計600億ドルの通貨スワップに加え、今年2月22日に開かれたASEANプラス3財務相特別会議では外貨準備高をさらに400億ドル増額する決定がされ、金融協力の規模はすでに1800億ドルの水準に達している。ASEANプラス3の金融協力では地理的な関係から主に香港のような国際金融センターを利用すべきだが、それに対し、中日韓3カ国の金融協力では北東アジア地域で実施される行動とその役割がより大きくなる。中央銀行協力メカニズムと為替相場協力メカニズムの構築はすでに北東アジアの金融市場の初歩的な土台になっている。世界的な金融危機の変化が多かれ少なかれこのプロセスを促すことになるだろう。もちろん、比較的整備された北東アジア金融市場を構築するには長期的なプロセスが必要となる。

 

「人民網日本語版」2009年10月14日

 

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