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中国の防砂植林と貧困撲滅で戦い続ける板垣敏秀
発信時間: 2009-12-16 | チャイナネット

板垣さんによると、この生態村の建設をきっかけに、多くの観光客や投資家が興味を持つようになったという。そのため「グリーン観光」を発展させ、日中両国の観光に新たな協力の分野を切り開くことも考えられている。観光客たちがこの地を訪れ、地域の子供たちと一緒に植林する。こうした「経済林と相互の友好関係」というモデルを作り、両国の人たちが触れ合い交流する場所を作ることができればと板垣さんは願っている。

 

村人は古い友人

1年の約3分の1は中国に滞在し、地域の人たちにヤトロファの手入れの仕方や肥料のやり方を教えている板垣さん。地元の人たちと触れ合う中で、お互いの間にあった緊張感や不信感も徐々になくなり、親近感も沸いてきたという。

ヤトロファの植林から直接的な恩恵を受けているのが村民だ。土地の賃貸料のほかにも、地元の会社に雇われてヤトロファの栽培や除草、施肥、搾油、箱詰めをすることで給料をもらうこともできる。収入が増え、生活レベルや子供の教育もずいぶん改善された。

村民にはブイ族が多い。とても親切で素朴な村民たちは、お酒を勧めてくれたり、家へ泊まるように言ってくれたりと、板垣さんを古い友人のようにもてなす。夜にはお酒を飲みながらいろんな話をし、中には自分の娘を日本に留学させたいという村民までいるという。

「お互いに知り合いになって親しくなると、植林事業もうまくいくのではないかと思います。農民の収入が増えて豊かになり、不毛な土地を利用して、子どもたちから孫までがこの事業に取り組むことができるようにするのが私たちの仕事です。これは中国だけではなく、世界の貧困地にとてもいい事業だと思います。私は中国でいい場所を提供してもらい、3年間勉強した結果、この事業の難しさが分かりました。でもこれは自分にとってとてもありがたいことでした」

 

今年65歳の板垣さんは、19歳の小沢さんという後継者ができた。小沢さんが板垣さんと知り合ったのは偶然だ。小沢さんは「中国に行ったら帰ってきません」と言い残し、雲南省に行ったまま一度も帰国せず、ずっと村民たちと作業に励んで仲良く付き合っている。小沢さんのことに話に及ぶと、板垣さんの顔には喜びと安堵の表情が浮かんだ。

「チャイナネット」 2009年12月16日

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