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教育に対する日本の大学学部長の深い反省
発信時間: 2010-01-08 | チャイナネット

文=張稚丹

日本大学文理学部のある校舎の入り口には、「少しの不安や疑問があればすぐに先生に相談してください」という言葉が刻まれ、卒業した学生でも、生活や仕事での悩みや、結婚後の子育てなどについて恩師に教えを請うことができる。日本大学文理学部の学部長を務めているのは島方洸一さんだ。

金融危機の中、失業してなすすべがない人も多く、地下鉄を利用している時には自殺した人の張り紙を見た。

私たちが日本大学文理学部を見学した時、「日中戦争写真展」と「四川パンダの生態環境」が一緒に展示されていていたが、これは大学側が学生たちの違った意見を聞くことができると期待してのことだろう。

教育で一番大切なことは何かと島方さんに質問してみた。「学生たちに物事の本質や真偽を見分ける能力を持たせることが最も重要です。そして一人の社会人として、小さい時から大きくなるまで、少しずつ他人から受けた多くの知識や援助、お金などを、できるだけ社会の人たちや家族に返さなければなりません。大学は学生たちがこうした社会に報いる能力を形成できるよう手助けするのです」

理想的な教育モデルについて島方さんはこう話す。「中学や高校を卒業した人がまず社会に出て働く。そしてもし進学の必要があるならば、大学に入ってくるのが理想的な形です。今のように高校を卒業した学生たちが直接大学に入り、学習の目的もはっきりせず、全く興味を持っていないため学習効率も非常に悪い。一番よくないことは、大学にいるのは19歳前後の子供たちだけで、社会や人生経験、外に出て行って交流したり勉強したりすることが少ないことです」

「一昨年に改革された教育法では、大学に入る学生の年齢制限が廃止されましたが、企業がその年の卒業生しか雇用しないというやり方では、この理想的な構想は効果的に実施できません。日本が衰退の道を歩んでいる理由は、人材がよく充電できないことと非常に関係しています」

「日本の文系教育の失敗は、1930年代から1940年代までのアジアへの侵略と今の日本の衰退をもたらしたことです。軍事力と技術力が強くなりましたが、これらの力を管理する政治家や公務員は是非を明らかに見分けることができず、国を正しい方向に導くことができません」

島方さんの話を聞きながら、日本の有識者が自国の政治や文化に対して深く省みている様子を垣間見た。

「チャイナネット」 2010年1月8日

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