▽不動産市場に注目
日本の経済産業研究所の小林慶一郎・上席研究員は早い時期から、金融危機が日本の不動産業や建築業に最も直接的なダメージを与えると指摘してきた。
金融危機により、日本の不動産市場は巨大な販売圧力にさらされることになった。不動産ファンド企業は長年、建設会社の不動産販売業務を請け負い、建設会社は最大90%にも達する借入金で運営をまかなっていた。だが危機発生以降、資金が不足したため、不動産を保有する企業は苦況に陥り、中には倒産するところや手持ちの不動産を売り払わざるを得ないところも出てきた。
08年夏以来、日本の不動産企業は倒産が相次いでおり、破産した上場企業だけでも20社を数える。
市場には常に弁証的な智慧が満ちている。日本不動産企業の不振により、日本の不動産事業や不動産会社は中国企業にとって格好の投資対象となった。
昨年11月、日本最大の不動産ファンド・パシフィックホールディングスは中国企業数社から約475億円(34億元に相当)の資本注入を受け、大きな注目を集めた。
中日間の投資・貿易関連業務を扱う弁護士事務所・協力律師事務所(上海市)の共同経営者である姚重華弁護士によると、このケースのような中国企業の日本企業への資本注入は今後増加が予想される。現在、日本の経済情勢は悪く、信託銀行が顧客の委託を受けて不動産の買い手を探すというケースが多くなっている。こうした動きを受けて中国企業の日本企業への株式参加が増えている。
千博株式会社の早川康雄社長によると、日本の不動産市場が予想通り2010年に回復に向かうなら、現在は非常に最適な投資チャンスだといえる。日本企業は3月に年度末決算を行うところが多く、経済情勢の悪化につれて、今年5月から6月にかけて優良な資産がまとまって市場に売りに出される可能性がある。
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