中国と日本は、遣隋使、遣唐使の時代から交流があり、日本は唯一のかなり全面的に漢字を使っている国である。しかし、同じ漢字を使っているがゆえに、社会体制の違い、発展段階の違い、対外交流の角度、範囲の違いなどから、意味のズレ、用語の違いがときには目に付くことになっており、それを上手に乗り越えていくことも私たちのスキルアップの課題となっている。
今回のセミナーでは、中国の改革、開放の中での特有の表現や日本でのそれに類した表現の比較や、なるべく日本の人たちに分かりやすいものにするためにはどうすればよいかなど、幅広い範囲にわたって話し合われた。
日本の雑誌には、中国企業の海外での事業展開をいっそのこと「走出去」戦略と言っているケースもある。中国ではまだそこまで大胆になってはいない。私も数十年来、こういうことで神経をすり減らしてきた人間のひとりであるが、こういうバリアとかハードルがあるから、この仕事は面白いのだとも思っている。セミナーでは、いろいろなすばらしい、大いに参考になる発言がポン、ポンと飛び出し、和やかな雰囲気の中で討論が続いた。
次回のセミナーは十一月中旬に、中央編訳局が受け皿となって開かれることになっている。なお、セミナーで討論されたことはウェブサイトで公表されることになっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月26日