民主党の新代表に選ばれた菅直人氏は4日午後、日本の第94代の首相に選出された。日本では4年間に5人の首相が交代したことから、中国でも菅氏に関する様々な議論が飛び交っている。清華大学国際問題研究所の劉江永副所長は「中国との交流に対して菅氏は誠意があり、日本の新首相としてその人格や中国に対する情熱は間違いないだろう」と話している。
中国に対する菅氏の淵源はどんなもので、今後の中日関係にはどのような影響があるのだろうか。中国社会科学院日本研究所の高洪副所長は「チャイナネット」のインタビューに応じ、次のように答えた。
高洪副所長:菅氏がまず日本の首相として、日本の国家の利益を守り、自国の利益を根本の出発点にして、内政や外交の戦略方針を決めるだろう。一般的にバランスを取るために、やや右寄りの政治家が政権を取った場合は少し左寄りになり、逆にやや左よりの政治家は少し右寄りになる。
菅氏は中国に友好だと考えられている。当時の胡耀邦総書記が1984年に3000人の日本の青年を中国に招いた時、菅氏はその中の一人だった。中国側の受け入れ機関である全国青年連合会の主席は胡錦涛国家主席で、こうした政治的な縁から中国には良い印象を持っているようだ。また東京工業大学を卒業した菅氏は、政治の世界に入ってから中国への友好を表すために、数十年にもわたって毎年、東京工業大学に留学している中国人学生を自宅に呼び、ギョーザを作ったり懇談したりしている。
しかし私の知る範囲では、菅氏は民主党の中国との友好交流に参加するとともに、日本の利益を守る政治家として、中国にとってあまり好ましくない発言をしたこともある。例えば台湾問題で台湾の「民主自決権利」を尊重し、「台湾独立運動」を干渉すべきではないというようなことを言ったことがあるが、その後は様々な事を経てそのような話はしなくなった。
個人的に菅氏自身の政治の好みはいずれにしても、菅氏が国家の利益や世界の情勢の中で日本の戦略をどう見ているかということが最も肝要だ。菅氏自身の個人的色彩は、直面している国際的な環境や守るべき国家の利益にはそれほど大きく影響はしないだろう。
菅氏が首相になっも中日関係に変化が生じる可能性は非常に小さい。それは鳩山内閣の屋台骨を支えていた1人であり、鳩山政権で対中政策に関わっていた人物でもあるからだ。それに今、中国と平穏な関係を保つことは日本の国家の利益に合い、この点を菅氏ははっきりと認識しているはずだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月7日