瀋陽市皇姑区黒竜江街77番にある古いビルは、外壁が朽ち、インテリアも埃だらけだが、壁の上部には「審判日本戦犯特別軍事法廷旧址」と書かれた看板が厳かに掛かっている。新華社のウェブサイト「新華網」瀋陽版が5日伝えた。
時間を半世紀余り遡ると、この軍事法廷は、紆余曲折を経て映画館となったが、数年前に営業を停止、閉鎖された。軍事法廷旧址という特別な教育的意義を考慮し、後の世代に伝える目的で、中国政府は映画館を改修、博物館とすることに決定した。
瀋陽市文物(文化財)局文物処の孟繁涛処長によると、各級政府による投資総額は1千万元を上回り、主に文化財建物の改修、内部の展示品陳列に運用されるという。特に、当時の軍事裁判の現場を再現する計画がある。
軍事法廷の持ち主である瀋陽市人民政府が立てた看板には、「1956年4月『中国に侵略した日本軍の処分に関する全国人民代表大会常務委員会の決定』に基づき、特別軍事法廷は同年6月から7月の間、山西省太原市と遼寧省瀋陽市において、鈴木啓久、城野宏など日本人戦争犯罪者45人に対する裁判を行った。このうち36人の主要戦犯は瀋陽で審判された」と明記されている。
「審判日本戦犯特別軍事法廷」博物館は、2011年の「九一八」事変80周年記念日にオープンする予定という。戦犯軍事法廷を専門テーマとした博物館は世界で初めて。
「人民網日本語版」2010年9月6日