先ず、日中の戦略的互恵関係の継続性の維持において、民主党は引き続き中日両国間の既定の「4つの政治文書」を堅持し、戦略的互恵関係の発展を推進するとの考えを示した。中日双方は2008年5月の中日共同声明に基づき「戦略的互恵関係」の総体的方向性を確認した。だが、日本は戦略的互恵関係における政策思考は、依然として「絶対的利益」に傾いている。2010年4月13日のワシントンでの核安全をめぐるサミットで中日の指導者が会談した際、日本側は「日中は東アジア共同体の核心」だとしながらも、「東中国海ガス田の共同開発条約の締結に関する交渉をできるだけ早く開始するよう求める」と述べた。同時に、いわゆる軍事透明度や核の安全などの問題について、中国を国際世論の場に押し出し、日本が唯一の「核の被害者」だという役割の位置づけを際立たせようとした。民主党政権の対中外交には、目前の功利を追い求める近視眼的な行動が見られ始めた。
次に、歴史認識の問題において、民主党は引き続き従来の自民党政権とは異なる姿勢を示した。管直人首相は、閣僚はいずれも「8.15」当日にA級戦犯を祭る靖国神社を参拝しないと表明するとともに、閣僚全員が不参拝という前例をつくった。一部の閣僚は「周辺各国の感情を総合的に考慮すれば、首相や閣僚は公職の身分としての参拝は見合わせるべきだ」と指摘。さらに、宗教的性質をもたない国立の追悼施設の建設に前向きの姿勢を示すことを確認し合った。
さらに、日本が両国の間に存在する「軍事透明度及び東中国海ガス田開発などの問題が未解決」だとの認識を示した。民主党が政権に就いて以来、経済協力などをめぐる中日政府間の実務的な交流が加速し、経済界の重鎮である丹羽宇一朗氏が駐中国大使に任命され、対中経済外交が強化されたように見えた。しかし、「環境保護」といった経済関連の分野を主体とする枠組みにおいて意思疎通を図り、協議したに過ぎない。東中国海と釣魚島の問題では、管内閣は自民党政権時代の強硬政策を完全に継承。とくにいわゆる「中国の軍事費の透明度」及び釣魚島問題では、日本は米国のグローバル戦略のアジア太平洋へのシフト、米韓の東北アジアにおける軍事演習を契機に頻繁に中国に圧力を加えてきた。今年9月7日午前、日本の海上保安庁の巡視船が中国の釣魚島付近の海域で中国漁船に違法にまとわりついて衝突。その後、巡視船は漁船を違法に阻み、漁船と漁民を違法に拘留した。