現代化が進む中国では、伝統的な美徳を備えた女性と結婚することがますます難しくなっている。そこで多くの人は外国の女性を希望するようになっている。一般的に隣国・日本の女性は中国の女性より家庭的だといわれており、穏やかで素直で礼儀正しく質素で控えめな日本女性と結婚できたら、どんなに素晴らしいだろうと考える人が多いという。「新京報」が伝えた。
こうした考え方には独りよがりな面もあるが、あながち根拠のないことでもない。日本社会が女性には家庭に入り、男性には外に出ることを奨励しているのは確かだ。そこで企業が従業員を雇う際には、男性を多く採用する。日本政府が2009年に行った調査によると、女子大学生の卒業後の就職率はわずか65%で、就職できても職位が下がったケースがほとんどだという。
女子学生がなかなか就職できないのは、企業の人事部門が、女性の半数以上がいずれ退職して家庭に入り、企業に長期間貢献できないことをよく知っているからだ。あるデータによれば、日本の女性は結婚して出産すると3分の2が退職する。そのため日本の企業には女性の管理職が8%しかいないのだという。
こうして日本女性は悪循環に陥ってゆく。社会では女性は家に入るべきだとみなされているため、企業は女性を雇いたがらず、結果として働く気持ちのあった女性を失望させ、女性は家庭に軸足を移すようになる。このような女性の選択がまた、社会や企業の女性は働くべきでないという偏見を助長する。
一部の男性にとって、こうした状況は望ましいものといえる。彼らはより大きな生計の負担を抱えてもよいから、妻に家事の全責任を負ってほしいと考える。だが米ゴールドマン・サックスの研究結果によると、日本のこのような伝統的家庭モデルは、個人にとってはプラスの可能性もあるが、国全体にとってはマイナスだという。
ゴールドマン・サックスは米国の事例を挙げて日本と比較する。米国人女性は80%が職に就いており、結婚・出産で退職する人は3分の1にとどまり、また女性管理職は43%に上る。ゴールドマン・サックスによると、日本の女性の就職率が米国並みになれば、高齢化と労働力不足が進む日本は820万人の労働力を得ることになり、国民総生産(GNP)は15%増加して、日本経済はあっという間に経済低迷から脱するという。
実際のところ、日本人もこの問題を認識しており、男女平等という目標に向かって努力している。たとえばビジネス誌「日経ウーマン」は各界でもっとも活躍した働く女性に贈る「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」の2011年大賞を、株式会社東芝研究開発センターマルチメディアラボラトリーの福島理恵子主任研究員(39)に授与した。受賞の理由として福島氏の「育児と仕事を両立するロールモデル性」を挙げている。
福島氏は世界で初めて裸眼(専用メガネなし)で鑑賞可能な3Dテレビを開発し、米国でもその名を知られている。福島氏は受賞に際して、性差別があったため仕事の道のりは平坦ではなかったと振り返り、「女性であることで苦労しなかったといえば嘘になる」と述べた。また成功は自分一人のものではないと述べ、会社の支援に感謝するとした。東芝は2004年、女性が仕事と家庭をよりよく両立できるように措置をうち出したという。
企業の支援にもまして重要なのは夫の支援だ。福島氏は、自分が今日までやってこられたのは、すべて夫の励ましと助けによるものだと述べた。福島家では家事は分担制で、大学講師の夫が朝ご飯を作って娘を学校に送りだし、夜の家事は妻が担当するという。
日本のモデル転換を通して、妻が夫にかしずく時代は過去のものになったことがわかる。これからは国にとっても、国民にとっても、また女性にとっても、男女の完全な平等こそが唯一の選択肢になる。
「人民網日本語版」2011年2月3日