中国人ならだれでも「三国演義」の物語を知っているように、日本の鎌倉時代の源平合戦の物語は日本ではとても有名だ。
「吾妻鏡」「平家物語」などの小説もこの頃の歴史に基づいて描かれたものだ。これらの小説の登場人物は皆、実際に日本の歴史上に存在した人物である。中でも、怪力無双の暴れ僧だった弁慶が、自分を打ち負かした源義経に死ぬ間際まで忠義を尽くした主従物語は特に有名で、日本では子どもの頃から絵本などを通して親しまれている。また、芝居や映画など様々な芸術作品に形を変えて舞台やスクリーンで上演されており、特に伝統芸能である能や歌舞伎の中にはこの義経・弁慶の物語を改編したものが多く見られ、今回の「船弁慶」は、これらの中でもとりわけ代表的な作品だ。この作品はそもそも能として作られ、その後さらに歌舞伎の演目にもなった。
「新・船弁慶」を披露する中日両国の学生たち