東日本大震災の被災地、宮城県、福島県、岩手県を1週間かけて車で回り、何とも言えない複雑な気持ちになった。日本は実力の強大な「経済大国」というのが私たちの持っているイメージだ。1995年1月の阪神・淡路大震災からの奇跡のような復興を知っている私たちは、今回も迅速に復興すると信じていた。(文:蒋豊・人民網特約記者)
日本の大手メディアは東日本大震災から1年を迎えるにあたり特集を組んでいる。彼らがそろって使う言葉が「爪痕」、つまり猛獣の爪が残した痕だ。だが私の目に映った被災地は、依然「見渡す限りの破壊された光景」と形容できるものだ。日本人の間からも、まだ「復興」以前に「復旧」が必要な段階、との意気消沈した声が聞かれる。
私が見たところ東北3県の被災地では、あちこちに瓦礫の山があり、処理作業はほとんど進んでいなかった。環境省の統計によると震災瓦礫は2253万トンで、現在までにその約7割が臨時堆積場に集められたという。このうち埋め立て、焼却、再利用されたものは5.6%に過ぎない。
瓦礫処理の完了は2014年3月末になると日本政府は見ている。1回の大地震の瓦礫処理に3年もかかる。世界の地震復興の歴史においても異例と言えよう。この見通しでさえ、事情に詳しい人は「ほぼ不可能だ」と言っている。