唐家セン氏:中日関係を調整するには根本を正し、枝葉と根本を同時に直す必要がある
中国の前国務委員・中日友好21世紀委員会の中国側座長の唐家セン氏は長崎県で5日、中日関係を根本から調整することは非常に困難で複雑した系統的な作業であり、「正本清源、標本兼治」(根本を正し、枝葉と根本を同時に直す)という8文字にまとめることができると強調した。
中日友好21世紀委員会の中日関係シンポジウムが同日、長崎市で開幕した。唐家セン氏は開幕式で中国側を代表して主旨演説を行い、次のようの話した。中日両国のきわめて複雑な関係を処理するには双方ともが真剣に守る基本原則は必要であり、これは両国関係の「源」である。国交正常化後の42年で中日関係は巨大な発展を遂げ、その重大な基礎は国交回復時に両国政府と指導者が達した一連の重要な理解と共通認識、及び『中日共同声明』など4つの政治文書が規定した各原則と精神である。2012年のいわゆる「釣魚島購入」事件も、13年末の日本の指導者による靖国神社参拝も、上述の原則と精神に背く行為である。
日本側の一部の人は戦略的互恵関係の「原点」に戻るべきだと何度も述べているが、国交正常化の原則と精神からかけ離れれば、戦略的互恵関係は「源流のない川、根のない木」になる。中日関係を処理するには国交正常化の「原点」を再確認する必要がある。私が思う中日関係の「原点」とは、「歴史を鑑にする」「共通点を見つけ相違点を保留する」「世代を超えた友好」である。
「枝葉と根本を同時に直す」について、唐家セン氏は次の考えを示した。「枝葉を直す」とは、両国関係に影響する際立つ問題を避けてはならず、当面の急務は歴史と釣魚島問題を適切に処理し、中日関係を早急に安定させるということである。また、両国関係の長期的で健全、安定した発展を実現させるには、双方が政治の相互信頼と国民感情の促進という2つの取り組みに力を入れる必要がある。これは「根本を直す」にかかわる課題だ。どのように「根本を正す」かという問題について、唐家セン氏は3つを提案した。1つ目は双方が互いの認識と位置づけを再び確立し、相手がパートナーであるか脅威であるか、チャンスであるか試練であるかという問題を根本から解決すること。2つ目は、政治の安全の相互信頼を確立し、時代の流れに合った新しい安全観で戦略的安全の不安を取り除くこと。3つ目は、各分野の交流と協力をたゆまず推し進め、利益の絆を強め、国民感情を改善させ、両国関係の長期的で安定した発展にしっかりした基盤を築くことである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年6月5日