ODA大綱の改定 懸念されるわけ

ODA大綱の改定 懸念されるわけ。

タグ: ODA大綱 改定 「非軍事目的」の援助

発信時間: 2015-02-11 11:14:33 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本政府は2月10日の閣議で、政府開発援助(ODA)大綱の調整を行い、「開発協力大綱」として閣議決定した。新たな大綱は、他国軍に対する「非軍事目的」の援助を初めて認めた。日本メディアは、軍隊と関連しない国民生活を主な対象としていた日本のODAに、重大な変化が生じると分析した。日本の各界は、安倍晋三首相が2012年12月に再任してから進めてきた安保政策を鑑み、新たな大綱に対して懸念を深めている。

新たな大綱は人道支援とインフラ整備など非軍事の協力を基本とし、軍事的用途や国際紛争助長への使用を回避するとした。日本政府は国益を確保するため、一定の経済発展水準に達した「ODA卒業国」に対しても、援助を継続することも可能だ。日本政府は新たな大綱に基づき、「非軍事目的」の災害救助などの際に、他国の軍隊と軍人に援助を提供することができる。「 実質的意義に基づき、状況に即して具体的に検討する」というのは援助提供の判断基準となっている。共同通信社は10日、「他国の軍隊の援助物資・資金の使用状況を把握するのは容易ではなく、実質的な意義の基準も不明瞭であり、援助を非軍事目的のみに限定した原則が形骸化する恐れがある」と指摘した。また一部の人は、他国軍を支援することで、邦人を対象とするテロ事件が発生する可能性が高まると懸念している。

1992年に制定された大綱も、2003年に改定された大綱も、「開発協力の軍事的用途や国際紛争助長への使用を回避する」ことを明記しており、軍隊と関連する援助を回避していた。しかし新たな大綱は、他国軍への支援を回避するという原則を変えた。これは日本政府が2013年12月に制定した国家安全保障戦略の、戦略的な見地からODAを積極的に利用するという方針と、国際事業に積極的に参与しようとする意志を反映している。

大綱を改定するため、日本の専門家による懇談会は昨年6月、他国軍への援助の許可に関する報告書を外相に提出した。その時から、日本の各界は大綱の改定に懸念を深めることになった。多くの主流メディアが社説の中で、この動きを批判した。安倍首相は新たな大綱について、国際社会の平和・安定・繁栄の促進を目的とすると述べているが、新たな大綱が日本の平和国としての外交方針を揺るがすならば、本末転倒になる。日本メディアは外務省の関係者の話として、今回の大綱の改定は「武器輸出三原則」の撤廃、集団的自衛権の行使容認と並ぶ、安倍内閣の安全保障分野の「3本の矢」だと報じた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月11日

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