そろそろ国内の団体客を迎える段階に入ったともいえよう。このためには上海に人員の移動をできるだけ正確にキャッチするセンターを設置する必要がある。つまり。地方の旅行会社から通報してもらい、上海で上手に人の流れをコントロールすることだ。そして、見学とショッピングが終わればすぐ周辺都市に移動させることでボトルネックの発生を防ぐのだ。私も仕事で日本に長期滞在していたとき、連休で京都のホテルが満杯で周辺都市に宿泊したことがある。日本はこういう面でいろいろノウハウを持っている。上海もおそらく、いろいろなビッグイベントを体験しているので、こいうことは朝飯前だろう。
最近、日本館についての詳しい紹介を目にしたが、これはなるべく大勢の中国人に見てもらいたいと思っている。私は日本でいろいろな企業を取材、見学したことがあるが、日本の環境技術、省エネ技術は中国にとって大いに参考になる。日本は私企業を主とするお国柄なので、知的財産権には非常に神経を使っている。金融機関から多額の借入れをして、社運を賭けて開発した技術を守ろうとする気持はわかる。私のようなメカ音痴ですら、日本での取材ではよく撮影は遠慮してくださいと言われて、カメラを預けて、手ぶらで見学したことが何回もあるが、別に不快感を覚えたことはなかった。中国も環境保全、省エネ関係の人材がどんどん育っている。有人宇宙飛行さえやってのけるのだから、こいう面でも、やがては自分たちのものを開発するものと信じている。また、日本の新聞では、客足がそれほどでもないのでは、ということが伝えられているが、まだ、第一楽章に入ったばかり。団体旅行で全国各地から見学に来るピークはまだ現れていない。たのしみはこれからだといえよう。何回かのリハーサルで人の流れの法則性というものも一応つかめたはず。予約チケットを、もうすこし増やすことを考えてみてもいいのではないか。
今回の万博は「学びあい」と世界に目を向ける良いチャンスである。人気のある日本館の詳しい紹介を目にしたが、低炭素社会を視野にとらえた中国の人たちにとっては、いい勉強の場である。混雑を懸念する気持は分かるが、ソフトに人の流れを速める知恵を働かせて、なるべく多くの人たちに見学させてはどうかと思う。
万博を通して、民度の向上、ソフトパワーの強化が達成され、そのうえ「収支はトノトン」という事であれば、ながい眼でみれば、「収」の方がはるかに「支」を上回ることになるにちがいない。民度の向上はお金で計算できるものではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年5月25日