在日米軍は冷戦中に、数発の核ミサイル発射の命令を受けた。幸いにして、命令を受けた軍官は、これに従わなかった。その後、この命令が誤って出されたことが明らかになった。共同通信社が14日に伝えた。
冷戦下の1962年、米ソが全面戦争の瀬戸際に至ったキューバ危機の際に、この事件が起きた。
在日米軍元技師のジョン・ボードン氏によると、米国は1962年に沖縄県に核搭載の地対地巡航ミサイル「メースB」を配備し、ソ連の極東地域をターゲットとした。
ボードン氏は当時、米空軍第873戦術ミサイル中隊に就役していた。ミサイルが配備された沖縄県読谷村の米軍基地で、24時間体制で発射命令に備えていたという。
ボードン氏によると、1962年10月28日未明(キューバ危機回避前)、嘉手納基地ミサイル運用センターから、ミサイル四基の発射命令が無線で届いたという。
米軍の防御準備体制は、1(戦争突入)でなく2(準戦時)のままだった。4基の標的情報のうち「ソ連向けは1基だけだった」ため、「なぜ関係ない国を巻き込むのか」と疑問の声が上がった。不審に思った発射指揮官が、発射作業を停止させた。後に命令は誤りと分かったという。