警察は今年3月、このグループの犯罪の全過程を確認した後、取り締まりに乗り出した。上海や昆明などで容疑者30人が捕らえられ、牛肉などの冷凍品13トンが押収された。すでに17人の容疑者に対する強制措置が取られ、主犯と目される山内某容疑者も身柄を拘束された。
これほど面倒なルートを使って牛肉が持ち込まれていたのは、警察の取り締まりを回避するためだが、暴利が犯罪グループを誘惑したという要素も見逃せない。
「彼らが日本市場で買う牛肉の価格は1キロ200元から300元にすぎない。だが中国に持ち込まれるとその値段は2000元から3000元に跳ね上がる」と上海市公安局食品薬品犯罪捜査総隊の銭洪偉・副支隊長は指摘する。「さらに末端に行くと、『日本産最高級輸入牛肉』として100グラム300元から500元で売られ、その価格はキロ3000元から5000元にも達する」
これほどの暴利に目をつけた冷凍肉密輸ネットワークは近年、またたくまに成長し、密輸や販売の状況は日増しに深刻化している。上海市公安局の警察官の陸峰は、「検査や検疫を受けることない密輸牛肉には、『狂牛病』や『口蹄疫』などのウイルスが感染しているおそれもある。こうした商品が家庭やレストランに届けば、公衆の健康が直接的に脅かされる」と注意を呼びかけている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月20日