中国と日本の実力差はここ数年で逆転し、中国のGDP総量はすでに日本の2倍に達している。このカギとなる転換期において、中日関係はまだ、大国の政治ゲームの罠に落ち込んではいない。危機管理や衝突防止などを通じて、中日関係は権力の平和的シフトの第一歩を歩み始めたと言えるのだろうか。従来の大国と台頭する大国とがぶつかり合う「トゥキディデスの罠」を中日両国が手を携えて回避できれば、再び行き詰まりに陥る必要もなくなる。
アジア太平洋地域の海洋秩序は現在、重大な調整と変革の局面を迎えている。日本の安倍政権の集団的自衛権容認や地域の安全問題への介入の動きは地域情勢の不安定要素を増している。日本とフィリピンの間の軍事協力は急速に活発化しており、南中国海の敏感な島嶼地域で演習が行われているだけでなく、「常態化」の可能性もある。日本を自らの側に引き寄せようとするフィリピンの意図は明らかで、日本も南中国海への介入を目論んでいる。
日本が南中国海の問題で強硬な態度を取ることは、中国に挑戦するフィリピンの威勢を高めることとなり、日本は最終的にこれに巻き込まれていくことになるだろう。
中日両国は、まもなく構築される海空連絡メカニズムを活用し、アジア太平洋の海洋秩序をめぐって率直な意思疎通を進め、アジア太平洋地域の「大国ガバナンス」のメカニズムを構築し、アジア太平洋地域の平和の土台を固めなければならない。集団的自衛権問題に尽力している安倍首相だが、求められているのは歴史認識の問題での前進である。少なくとも謝罪を外交の武器として政治的資本を高めるようなことはするべきではない。
中日間を行き来するビジネスパーソンや留学生、移民、国際結婚カップルは増え続けている。これこそが中日友好の土台となる民意であり、中日関係の回復の動力である。反ファシズム戦争勝利70周年となる今年は、中日関係の発展にとって重要な節目の年となる。安倍首相の談話と中国の大閲兵式は、両国が歴史の和解へと進むことができるかの風見鶏となる。歴史の正義を広げることなしには本当の歴史の和解はあり得ず、中日関係の回復に向けて心理的な抵抗を取り除くことも難しいだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年7月1日