自らが進める軍拡を防衛の必要に迫られたものと言い、国際秩序への挑戦を秩序の維持と言うことは、安倍政権の一貫した手口である。こうした白書の発表によって他国の脅威を誇張し、被害者の役回りを演じることは、世論を欺き、誤った道へと導くためにほかならない。安倍政権は、軍事的な野心と行動に口実を作り上げ、集団的自衛権の容認と関連法案の採択のために世論を操作しようとしている。これについては日本国内の一部のメディアもはっきりと指摘している。
安倍政権にとっては、集団的自衛権の容認は日本の安全保障政策の転換の第一歩にすぎない。これに続くのは、集団的自衛権をいかに行使するかという問題である。安倍政権の解釈によれば、集団的自衛権の容認後、日本の自衛隊は海外での戦闘任務に就くことができるようになる。これは日本が戦後に長期にわたって守ってきた「専守防衛」という安全保障政策が完全に転換されることを意味する。アジアの国々は、安倍政権が様々な口実を見つけて平和憲法の制限を突破し、集団的自衛権を容認し、潜水艇や上陸部隊などの攻撃的な軍事力を発展させていることに強い懸念を抱いている。
日本の雑誌「週刊現代」の報道によると、安倍首相は6月初めに各メディアの担当者と「懇親会」を開き、酒の入った状態で「本音」を次々と吐露し、「安保法制は南中国海の中国が相手」と言い放ち、集団的自衛権を使って米軍と一緒に南中国海で中国を叩くといった発言を繰り返したという。報道によると、安倍首相は中国との戦争を想定していることを堂々と認めてみせた。日本側は報道の真偽についてはっきりとした回答を出していない。だが明らかなのは、日本がもしも平和憲法の制限を破って集団的自衛権を容認し、攻撃的な軍事力を発展させ、軍事大国の地位を求めるならば、アジア太平洋地域の安全保障にとって注意すべき脅威になるだろうということである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年7月6日