日本の複数の主流メディアが先ほど発表した世論調査の結果を見ると、安倍首相が安保関連法案を強行採決しようとしていることに対する、国民の不満が広がりを見せている。安倍内閣の不支持率が上昇を続け、初めて支持率を上回った。この強い批判と反対の声に対して、安倍首相はなぜ国民の支持を失うリスクを犯し、同法案の「関門」をがむしゃらに突破しようとするのだろうか?
日本の歴史学者、明治大学教授の山田朗氏は、安倍政権は「意図的に隣国との関係を悪化させ、多くの日本人に危機感を抱かせることで、日本は軍事力を強化しなければならないという説に同意させようとしている」と分析した。安倍首相の政治、安保、改憲などの動きは、その独特な価値観や歴史観と密接に結びついている。
専門家は、安倍首相本人は日本を再び「政治・軍事大国」にしようとしており、経済大国のみでは満足していないと指摘した。安倍首相は「実力主義」の信奉者であり、戦前の日本、「政治の実力」の行使を理想としている。安倍首相はこれを実現するため、過去の歴史の修正に着手し、戦後から現在に至る日本とは異なる日本を作ろうとしている。
安倍首相の就任以来の一連の動きを見ると、すべての説明がつく。まずは教科書検定基準から、隣国を刺激しない「近隣諸国条項」を取り消し、宮沢談話を放棄した。さらに河野談話の見直しを名義とし、慰安婦の強制性という史実を否定した。安倍首相はさらに新たな談話を発表することで、村山談話の「侵略」、「植民地支配」といった中心的な表現を抹殺しようとしている。
市民団体と地方組織が大規模な抗議集会、デモ行進、座り込みによって、安保法制および安倍政権そのものに対して「ノー」を突きつけている。多くの有名な学者と各界の著名人も、現政権から圧力を受けるリスクを犯しながら正義の声をあげ、平和憲法を守り、民意を無視する政府の行為を批判している。
日本アニメ界の巨匠、宮崎駿氏はこのほど、安保法制に反対を明言した。宮崎氏は、「安倍首相は改憲によって歴史に名を留めようとしているのだろうが、愚劣だ」と述べ、侵略の歴史を反省し、平和憲法を直視するよう求めた。代表的な憲法学者の樋口陽一氏は、安保関連法案は「三重の侮辱」(内閣法制局が苦心して築いてきた政府見解を覆したのは国会審議への侮辱。砂川判決を持ち出すのは判例への侮辱。首相のポツダム宣言への理解のなさは歴史への侮辱)だと指摘した。
慶応大学名誉教授の小林節氏は、本件の今後の動向について、「安倍首相の性格ならば、何が何でも強行採決しようとするはずだ。日本国民はこれに対して法案への抵抗を続ける。政府と民間の激しい輿論の戦いが、次の選挙まで続くことになる」と予想した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年7月16日