中国共産党は過去25年に渡り、ナショナリズムという思想を最も歓迎することを証明してきた。習近平国家主席の指導を受け、中国共産党は愛国主義教育の取り組みと決意を強めている。日本の英字誌『ザ・ディプロマット』が8月16日に伝えた。
中国は2014年に3つの新たな国家記念日を制定し、そのうち2つは日本に向けられたものだった(9月3日の中国人民抗日戦争勝利記念日、12月13日の南京大虐殺犠牲者国家追悼日)。
中国の法定休日はこれまで7日のみだったので、中国のこの動きの重要性を過小評価できない。歴史的な角度から見ると、これは最近の事態の発展による結果だ。「百年の恥辱」という説は1990年になりようやく登場した。この説の導入、中国の新しいナショナリズムは、1980年代後半から90年代前半にかけての、世界秩序の調整により発生した合法的な危機がもたらしたものだ。
米シートン・ホール大学平和・衝突研究センター長の汪錚氏は、「毛沢東のナショナリズムと中国の新たなナショナリズムの差は、民族の自我の認識の変化にある。これまでは自国を勝者としていたが、現在は被害者に変わった。毛沢東のナショナリズムは、国民党を打ち負かした革命と太平天国の乱を賞賛する。中国の新たなナショナリズムが強調するのは、列強から蹂躙された百年の恥、このすべてを終わらせた共産党と国民党の力だ(共産党だけではなく)」と指摘した。
この2つの観点は、党の政治・統治を合法化する。毛沢東の時代に、階級闘争という思想は革命に存在の理由を与えた。中国の新たなナショナリズムは、共産党の中国の救世主としての力を強調する。国家への支持を強調する中、共産党は若者の失望感の矛先を外国人との問題に向けようとしている。
もう一つの注目すべき差は、共産党の宣伝に国民党に関する内容が盛り込まれたことだ。武力は統一の大事業を実現する実現性の高い手段ではなく、共産党はむしろ外交・経済の手段により台湾を引きつけようとしている。
西オーストラリア大学の専門家は報告書の中で、中国の1990年代生まれの若者は海上の領土紛争に対して強い愛国心を示すが、武力によりこれらの係争を解決することに消極的だと指摘した。
中国人民抗日戦争記念館の「偉大なる勝利、歴史の貢献」記念展の開幕に伴い、9月3日の大規模な閲兵式前の愛国主義宣伝活動の幕が開かれた。同記念展は7月7日の盧溝橋事件78周年に始まった。盧溝橋事件では、8年の抗戦の一発目が撃たれたとされている。
習主席を含む中国共産党中央政治局の7人の常務委員が同記念展を見学し、党の正式な立場を十分に表明した。7人のうちの1人である劉雲山氏が、この「歴史を銘記し、烈士を偲び、平和を愛し、未来を切り開く」をテーマとする記念展の開幕式を開き、談話を発表した。
中国は愛国主義の情熱を引き出すため、9月3日までに180以上の「抗戦」をテーマとする舞台芸術作品を上演し、新作映画、ドキュメンタリー、テレビドラマ、さらにはアニメを放映すると発表した。すべての活動は、「愛国主義宣伝教育の強化」を目的としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月17日