スペイン誌「Eurasia review」は12月22日、「中国のエネルギー封鎖を夢見る日本」と題する記事を掲載した。要約は下記の通り。
日本は念入りに、自ら陣営を構築しようとしている。
インドとオーストラリアは強い海軍の建設に取り組み、地域における影響力を拡大し、潜在的な敵の進入を阻止しようとしている。インドは日本に対して、二重の価値を持つ。まずインドはアジア大陸の大国であり、中国と歴史問題を抱えている。
より重要なことは、インドが必要な時にインド洋に勢力を展開できることだ。アフリカと中東からアジアに輸送される資源は、インド洋を通過しなければ東中国海・南中国海に入れない。またインドは世界の海上油田開発の重要な地点にある。
オーストラリアは理論上、中等の大国に留まるが、日本にとってはインドよりも有用と言えよう。これはオーストラリアの戦略的位置がインド洋と南中国海が交わる海域に近く、かつ中国にさまざまな鉱産物資源を輸出しているからだ。これらの資源は中国の持続的な経済成長にとって極めて重要だ。
また日本は東南アジア諸国と軍事・経済関係を発展させている。うち最も注目すべきなのは、ベトナム、フィリピン、マレーシアだ。3カ国は中国と、南中国海で主権を巡り争っている。フィリピンは自国の主権を主張するため国際仲裁を求めてさえいる。マレーシアはマラッカ海峡に近い。これは中国の「マラッカ・ジレンマ」のマラッカのことだ。
しかし日本にとって最も重要なのは、この3カ国が中国の南中国海における自然資源の主な分布エリアの周辺に位置することだ。インド、オーストラリア、ベトナム、フィリピン、マレーシアが海上で重要な位置を占めていることから、生存に必要な資源を獲得しようとする中国を共同で阻止できる。
日本はさらにロシアを利用し、強い北の隣国に対する中国の不安を強めようとしている。現在のウクライナ危機、西側諸国の対ロ制裁がなければ、日本は南クリル諸島(日本名・北方四島)問題を巡り、ロシアと解決案を見いだせたかもしれない。ロシアは中国にとって非常に重要な油ガス供給国だ。ロシアを抱き込めば、それは日本の利益にかなう。こうすれば全面的に中国を包囲し、中国をより危うい立場に追いやることができる。
とは言え、日本はこれらの国々が自国のために、中国に軍事的に敵対する態度をとるよう願っているわけではない。各国があいまいな態度で中国に接すれば、中国に戦略的な不確定性を意識させることができるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月25日