モバイル事業の回復の遅れがグループ全体の足を引っ張っているが、ソニーはスマホ事業を手放そうとしていない。スマホユーザーの減少による市場からの撤退という噂について、ソニーは先ほど閉幕した世界最大規模のモバイル見本市「MWC 2016」において、スマホ事業を維持すると約束した。しかし業界内の専門家は、ソニーのスマホの影響力はカメラやセンサーなどの部品にさえ及ばず、モバイル事業の立て直しが現在の難題となっていると分析した。
スマホ市場からの撤退を否定
ファーウェイ、小米、TCLなど中国スマホメーカーが世界市場で活躍するなか、ソニーは市場からじりじりと身を引いている。
市場調査会社IHSの最新の統計データによると、ソニーの世界スマホ市場におけるシェアはわずか2%だ。ソニーは2012年に、エリクソンが保有するソニー・エリクソンの50%の株式を買収すると、市場シェアが4.5%に上昇し、世界4位のメーカーとなっていた。
ユーザー数の減少にも関わらず、ソニーはこの競争が激しい市場からの撤退を否定している。ソニーモバイルコミュニケーションズの十時裕樹CEOは、メディアのインタビューに応じた際に、「消費者はスマホに夢中になっている」と話した。ソニーのモバイル事業の再編が終了に近づく中、十時氏は消費者の通信方法の再定義を目指している。
ソニーモバイルコミュニケーションズの中国担当者も、北京商報のインタビューに応じた際に、「ソニーは近年、スマホ事業からの撤退を表明したことはない」と話した。
ソニーはアンドロイドスマホ向けのブルートゥースイヤホン「Xperia Ear」を発表した。Xperia EarはユーザーのEメールを読み上げ、ナビゲーションを行い、その他の情報を伝える。十時氏は、「ユーザーの両手が解放されても、常に携帯電話の内容をチェックできるようにした」と語った。しかしソニーは同製品の具体的な販売価格については明かさなかった。