社会科学院専門家:アベノミクスは「日本病」に効果なし

社会科学院専門家:アベノミクスは「日本病」に効果なし。

タグ: アベノミクス 日本病

発信時間: 2016-05-29 11:58:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国社会科学院日本研究所所長補佐の張季風氏はこのほど、記者の取材に対し、「アベノミクス」は予期していた効果を上げられていないとの見方を示した。日本経済を低迷から脱却できていないだけでなく、設定された長期政策目標もほとんど実現できておらず、「日本病」の治療に効果を上げられていない。

張季風氏によると、「アベノミクス」に盛り込まれた主要指標値から、この政策が予期していた目標を達成したかを判断することができる。インフレ指標を例に取ると、「アベノミクス」は2年でCPI上昇率2%を目標として掲げたが、3年余りが経った今もこの目標は実現できていない。2015年の日本のコアCPIの上昇率はわずか0.5%で、2016年3月には再びマイナス0.3%に落ち込んだ。日銀はCPIの上昇率2%の目標達成時期を2017年度に遅らせた。だが2017年度にこの目標が実現できるかは疑わしく、実現できたとしても、2年の目標を6年かけて到達したというのでは成功とは言いがたい。

安倍政権が放った「新3本の矢」にも張季風氏は懐疑的だ。「アベノミクス」が打ち出すインフレ指標や財政目標、経済成長率はいずれも実現の可能性が低い。張氏によると、「新3本の矢」は、2021年までに国内総生産(GDP)を600兆円に拡大するとしているが、この目標は根本的に実現不可能なものである。この目標を実現するには、日本の実質経済成長率を2%、名目経済成長率を3%に到達させなければならないが、現在の日本経済はほとんどゼロ成長で、これが急成長に変わるという可能性は今後も見出だせない。「新3本の矢」ではさらに、「希望出生率」を1.8とするという目標が掲げられているが、現在の日本人女性の雇用や育児施設、福利厚生、家庭の経済条件などの状況から見れば、この目標も到底実現できるものではない。

張季風氏によると、日本経済の問題は、長期にわたって蓄積された構造的な問題である。「アベノミクス」には、日本経済の構造的問題を解決する力はほとんどない。「アベノミクス」は少なくとも現在、その働きを失っており、予期していた効果を上げられていない。「アベノミクス」には短期目標のほか、長期経済成長率や財政再建、一人当たりの国民所得など多くの中長期目標も設けられているが、現状を見る限り、これらの目標もほとんど実現できないか、実現の難しいものとなっている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月29日

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