中国の大型旅客機「C919」が順調にラインオフすると同時に、隣国の日本も国産旅客機の開発を急ピッチで進めている。しかしその進展は、想像されていたよりも順調ではない。
三菱重工業の宮永俊一社長はこのほど、日本メディアのインタビューに応じた際に、子会社が開発する日本初のリージョナルジェット「MRJ」の納入時期が、2018年に延期される見通しだと表明した。同機の納入延期は5回目となる。
宮永社長はMRJが納入延期を繰り返している原因について、「MRJの納入前に国の安全性に関する型式証明を取得しなければならない。試験飛行を行っているが、型式証明の取得にどれほどかかるか予想できない」と述べた。これは納入延期の原因が、型式証明の取得を目指す試験飛行の遅れであることをほのめかしているようだ。宮永社長は「安全性を証明する手続きが非常に難しくなっている」と説明した。
また宮永社長によると、MRJのプロジェクト経費は当初の予算を上回っており、かつ今後も増加を続ける可能性があるという。
MRJはリージョナルジェット市場を見据えた機種だ。全長は35メートルほどで、70−90座席を設置。先進的なエンジンと空気抵抗を大幅に下げる形状が最大の特長で、燃費は競合機種を20%上回る。
YS-11から半世紀ぶりの国産旅客機として、MRJに大きな期待がかかっている。全日空、日本航空、アメリカン航空などから、すでに400機以上を受注している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月27日