テレビ朝日が17日に発表した世論調査の結果によると、安倍内閣の支持率は29.2%に低下した。これは再任以来で最低の水準であり、安倍内閣としても30%を割り込んだのは初めてだ。日本でこの30%は、内閣の存亡を分ける「レッドライン」とされている。
過去20年間の日本の首相を見ると、支持率が30%を割り込めば、退陣もあと僅かであることが分かる。ただし退陣までの時間は、その首相によって差がある。この20年間の政治法則が打破されなければ、安倍首相の「政治生命」は短ければ3カ月内、長くても11カ月だ。つまり安倍首相は2020年東京五輪の開幕を宣言できないばかりか、2018年の自民党総裁選まで持ちこたえることができない。
安倍首相は当初、森友学園と加計学園の問題は、本人がメディアの追及をかわし、無理に火中に身を晒さなければ、国民が徐々に飽きてしまうと考えていた。安倍内閣に致命的な影響は及ぼさないだろうというわけだ。しかし稲田朋美防衛大臣ら閣僚の失言、さらに東京都議選の自民党の惨敗により、安倍内閣の支持率低下に直接的な影響が及んだ。
支持率の持続的な低下を受け、安倍首相は対策を講じざるを得なくなった。しかしこの対策に効果がなければ、安倍首相は見放されるかもしれない。安倍首相の最初の対策は、内閣改造だ。8月3日に行う内閣改造で、安倍首相は閣僚19人のうち半数以上を交代させる可能性がある。また安倍首相は逃げ続けるのではなく、加計学園問題をめぐる閉会中審査への出席に応じた。しかしこれらの措置が予想通りの効果を発揮せず、支持率が低下を続ければ、外交・安全カードを切り支持率を上げようとする可能性もある。例えば周辺諸国に強硬な発言をし、小さな挑発行為に出るだろう。過去の経験を見ると、韓国に強硬な発言をすれば、内閣の支持率を少なくとも3%上げることができる。
安倍首相が「一強」だった時、自民党は表面的な統一と一致を維持できた。しかし安倍首相の勢力が弱まると、自民党内で裏の駆け引きが展開された。岸田文雄外相は先ほど、外相になり長く、もう十分だと表明した。岸田氏はポスト安倍を待つのではなく、安倍首相の挑戦者になる可能性がある。また安倍首相から排斥されてきた石破茂氏も、首相の座に興味を持っているようだ。
今月23日に開票される宮城県仙台市の市長選にも注目が必要だ。東京都議選での惨敗に続き、仙台市長選でも失敗すれば、自民党は政権奪取以来で最も深刻な信頼の危機を迎えることになる。山雨来たらんと欲して風楼に満つ。安倍首相は対応に追われ、その前途は予想しがたい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年7月24日