安倍氏の解散・総選挙、危険な博打に

安倍氏の解散・総選挙、危険な博打に。

タグ:安倍 衆院解散 総選挙

発信時間:2017-10-12 13:27:48 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


  日本の安倍晋三首相は夏に内閣改造を行い、秋に衆院解散・総選挙を発表した。これは戦後自民党の政治の歴史における常套手段だ。照準を合わせ不意を突き、「ポスト安倍」時代の党内体制と政権交代の地ならしをした。

 

 「直感」で危険な賭けに

 

 安倍首相がこの決定を下す前、森友学園・加計学園問題により内閣支持率が30%のレッドラインを割り込んだが、自民党高官はこれが「些細なこと」であり、安倍首相の致命的な脅威になることはないと判断していた。

 

 日本の政治スケジュールによると、本来ならば2018年末に衆院選が行われるはずだった。自民党にとって有利な状況下、安倍首相がすでに成績に満足し、その日暮らしをしたとしても、任期満了まで首相を続けられる。衆院解散・総選挙は危険な賭けであり、念入りに下準備をしていたはずだ。それでは安倍首相は何を、どれほど賭けようとしているのだろうか。

 

 安倍首相は自民党の衆議院における議席、自らの政治生命を賭けたと言える。その理由は簡単だ。選挙に失敗し自民党の議席数が減れば、党首である安倍首相は党内で厳しい批判にさらされ、引責辞任することになる。2018年9月に自民党総裁再任という計画も夢物語になる。

 

 安倍首相がこのような危険な博打に出たのは、国内の政治状況への「直感」、それから自民党の選挙状況への探りによるものだ。ある見通しによると、安倍首相が現時点で衆院解散に踏み切れば、自民党の議席数は3分の2を割り込み、現在より40議席減少することになる。しかし自公を合わせれば最低でも280議席を確保し、連立政権を組むことができる。その一方で思い切れずこのまま政権運営を続ければ、さらに多くの議席を失うというのだ。

 

 この自民党内の調査結果は、野党が分裂し合流と協力が困難であることを前提としている。言い換えるならば、野党内の争いが激化し、勝手に乱れてくれれば、自民党は必ず勝利できるというわけだ。逆に野党が集まり共闘すれば、自民党の議席が大きく減少することになる。政界は波乱万丈で、政治家の気持ちも移ろいやすい。自民党は完全に見透かすことができず、安倍首相にとってはまさに「危険な博打」だ。

 

 安倍氏の「タキトゥスの罠」

 

 9月のある週末、安倍首相は私邸に麻生太郎副首相を招いた。両氏は1960年の安保闘争のさなか、時の岸信介首相(安倍首相の祖父)が「訪米し新日米安保条約を調印してから、直ちに衆議院を解散するつもりだった」ことを振り返った。ところが幹事長からの強い反対により、取り止めになった。岸は「一つの行動で十倍の効果を得る」ことに長けた人物であり、行動に出なかったことを後悔した。そこで麻生氏は「自分の考えで決断するのが最良」と提案した。

 

 安倍首相は盟友からの励ましを受け、側近の強い反対を押し切り大胆な賭けに出た。選挙戦では主要野党が分裂する絶好のチャンスをつかみ、政界再編の混乱の中で勝利を収め、「自民単独で過半数の議席」を確保する。改憲発議が可能な3分の2に届かなくても、野党を離反させ、日本維新の会などの志を一つにする改憲派を抱き込むことで、新しい議員連盟をつくり、改憲の成功を保証できるというわけだ。

 

 衆院選の投開票は22日。今回は選挙区の新たな区割りで行われ、議席数は10議席減の465議席と戦後最少になる。自公両党は233議席の過半数を占めなければ、国会を支配できない。

 

 2014年12月に行われた先の衆院選で、両党は322議席を獲得した。自民党が目標を達成できなければ、安倍首相は政治的な「切腹」による謝罪を迫られる。

 

 人事を尽くしても、天命を待たなければならない。安倍首相は「タキトゥスの罠」を見くびっているかもしれない。自民党が信頼回復に向けどれほど誓いを立てようとも、有権者に悪印象を与えることになる。NHKが発表した最新の世論調査によると、安倍内閣の支持率は37%と前月の調査結果よりやや低下し、不支持率は44%に上昇した。日本メディアは、自民党が議席数の大幅減のリスクに直面すると予想している。安倍首相は今回の「勝敗ライン」を、連立与党で過半数の議席と設定しており、選挙状況への懸念を反映している。(筆者:陸忠偉中国現代国際関係研究院元院長)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月12日

 


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