空っぽの会場 五輪はどんな景色になるのか?
感染症が発生してから、スポーツイベントで無観客方式による再開を選択したものは少なくない。大歓声が上がった観客席が空っぽになれば、確かに寒々とした印象を与える。競技自体が盛り上がったとしても、これまでのような雰囲気は薄れている。
このほど開催されたサッカーの欧州選手権グループステージのハンガリー対ポルトガルの試合には、6万人のファンが会場に詰めかけ、多くの人が感動と感慨を込めて、「サッカーが戻ってきた」と述べた。
残念なことに、東京の感染状況が変化し、これまで各会場の観客数の上限は定員の50%、1万人以下とされていたのが、今や1都3県は無観客での開催しか道はなくなった。感染症の中ではやむを得ない選択だ。
観客のいない五輪はどんな景色になるのだろうか。おそらく寒々しい雰囲気は避けられないだろう。放送技術を使って現場の音声を伝えたとしても、やはりこれまでのような雰囲気は感じられないだろう。
開幕式のパフォーマンスに新機軸はあるか?
五輪開幕式は歴代の大会でも開催に先立つ一番の懸念だったが、とりわけ感染症の中の今回は、簡素化される予定の開幕式がどんなものになるか、新機軸はあるのか、非常に期待が高まっている。
共同通信社によると、開幕式のプランとパフォーマンスの内容は「最高機密」であり、ドレスリハーサル(ゲネプロ)はすでに完了している。リハ中、会場では赤いライトが時折輝き、人気ゲームの音楽も聞こえてきた。
注目されるのは、今年3月に開閉幕式を統括するクリエーティブディレクターの佐々木宏氏が辞任すると、このポジションが空席になったまま、演出、ダンス、音楽など各部門の責任者が中心になって準備を進めてきたことだ。
また開閉幕式のプロデューサーのマルコ・バリッチ氏は昨年、「パフォーマンスには新型コロナウイルス感染症との戦いの要素も加えて、世界の人々に感染症との戦いの物語を伝える」としていた。それから1年あまりが過ぎ、この部分がどうなるかも懸念の一つだ。
いずれにしても、半月後に開幕する東京五輪が、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が述べたように、感染症の「暗いトンネルの終わりにある光」になることを願う。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年7月11日