文=清水友香 産業翻訳者
中国にお住まいだったり、子ども連れで旅行したことがあったりする方はきっとご存知の通り、中国は(少なくとも東京での子育て経験に照らすと)子どもに優しく寛容な社会だと感じます。特に乳幼児ともなれば、すれ違う人々の視線はみな子どもに向かい、青年男性まで笑顔を投げかけてくれるのには驚きました。
そのような文化的背景からか、以前、まだ2~3歳だった息子と二人で国際線に搭乗した際には、思いがけない出会いも。機内で息子をあやす私を気遣って下さったのは、日中映画祭実行委員会評議員(当時)・江さん。タクシー待ちの長蛇の列で手助けして下さったのは、船舶技術分野の翻訳者・曹さん。お二方とも日本在住だったことから、その後も交流が続き、曹さんは上海・七宝古鎮のご出身と知りました。
七宝古鎮(2016年5月訪問)
そこで今回は、七宝古鎮をご紹介したいと思います。上海の水郷といえば朱家角が特に有名ですが、上海中心部に一番近いのは実は七宝。地下鉄9号線・七宝駅から徒歩約10分(旧フランス租界辺りからなら30~40分)という距離ですから、朱家角に比べればずいぶん小ぶりになるものの、「日程的にあまり余裕はないけれど、江南水郷の雰囲気を味わってみたい」という方におすすめです。
七宝老街の入口(曹さん提供)
橋の上から七宝教寺の塔が見える(曹さん提供)
かつてこの地にあった仏法の7つの宝に由来するという七宝は、メインストリートの七宝老街を中心に南宋時代の街並みが復元され、北側(北大街)には雑貨店、衣料品店、骨董品店など、南側(南大街)には主に飲食店が集まっています。北大街でちょっとしたお土産や記念品を探すのも楽しいですし、南大街で串焼き、ちまき、団子、臭豆腐……ずらりと並ぶ「小吃」を見て、食べるのも盛り上がります。「七宝湯団」という白玉団子スープは、中に肉餡や胡麻餡が包んであり、アツアツのモチモチで美味しかったですよ!
店先に並ぶ「小吃」
観光エリア内には、棉紡織館(綿紡績業に関する展示館)、周氏微彫館(ミニチュア彫刻館)、七宝酒坊(伝統製法で醸造する酒蔵)などのスポットもありますので、お時間の許す限り回ってみてはいかがでしょうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年11月14日