日本の環境経済学専門家、龍谷大学教授の大島堅一氏はこのほど「環球時報」の取材に応じた際に、「日本政府と東京電力は多核種除去設備(ALPS)で処理した福島第一原発の核汚染水を海洋に放出しようとしている。この核汚染水はトリチウムが除去されておらず、またルテニウム、ストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性核種が含まれる。海洋に放出されれば、今後数十年の生態への影響は計り知れない」と述べた。
日本政府と東京電力は2015年に書面で、漁師及び国民の理解が得られなければ核汚染水を海洋に放出することは絶対にないと約束した。今や漁師はALPSで処理済みの核汚染水の放出を避けるよう求めている。大島氏は、「ところが日本政府と東電は、漁業関係者を含む国民の声に耳を傾けていない。政府と東電に対してALPS処理(核汚染)水の放出を停止するよう断固要求しなければならない」と述べた。
大島氏はさらに、核汚染水処理の代替案を示した。まずは大型タンクでの保管だ。トリチウムの半減期は12.3年で、123年保管すれば放射性を当初の1000分の1に下げられる。次にモルタル固化だ。固化は核汚染水とセメントの混合のプロセスで、物理的・化学的手段により汚染物質の浸出性を引き下げ、危険廃棄物と環境が受け入れられる形式に変える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月29日