日本の高齢者による犯罪率が上昇を続ける理由は?

中国網日本語版  |  2023-11-21

日本の高齢者による犯罪率が上昇を続ける理由は?。

タグ:高齢者 犯罪 貧困 団塊世代 保障 

発信時間:2023-11-21 11:02:14 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本で最近、高齢者による悪質な傷害事件が続いている。調査によると、日本の高齢者の犯罪率が持続的に上昇している。犯罪者に占める高齢者の割合は1989年は2.1%だったが、19年には22%と10倍に上がった。日本社会の犯罪率が全体的に低下する中、高齢者の犯罪率が上がり続けている。これは日本の深刻な社会問題の一つになっている。

 日本の高齢者による犯罪を考える上で、避けて通れないのは高齢化だ。これは日本社会の際立った問題となっている。日本の高齢者による高い犯罪率については、少子高齢化による年金支給額の減額や物価上昇などの社会保障問題が表面的な理由としてあるが、戦後の経済・社会の繁栄から停滞への移り変わりを経験した者が持つ「相対的貧困」という心理的な落差が深い理由としてある。

 「相対的貧困」は、日本のこの世代の高齢者が直面しうる共通の問題だ。現段階の日本の高齢者の多くが戦後生まれで、日本経済が高度成長した時期に人生の価値観を形成した。彼らは各地から日本の先進地域に殺到し、日本の都市化建設を促した。人生で最も輝かしい、働き盛りの時を国に捧げ、日本経済の飛躍を支えた世代になった。終身雇用制や国民皆保険・皆年金により個人資産が膨らみ、彼らに未来や生活への期待をもたらした。ところが日本経済のバブル崩壊、GDP成長率の持続的な低下、株価と不動産市場の崩壊に伴い、多くの「団塊の世代」が苦労して貯めた資産があっという間に蒸発した。一部の人はさらに重い借金を背負うようになった。老後は彼らが若い頃に考えたようなものではまったくなくなった。社会と経済の格差がますます広がり、失業者が増加し、個人所得が減少し、相対的貧困の悪循環を激化させた。

 日本経済・社会が繁栄から停滞へと、日本国民の個人資産が富裕から貧困へと移り変わり、社会及び個人の二重の原因による貧困及びそれに伴う落差により、多くの高齢者が日増しに不安をつのらせている。これは彼らの犯罪率をある程度押し上げた。国際通貨基金(IMF)の10月の予測によると、日本経済の情勢は今後さらに悪化し、日本の今年の名目GDPは世界3位から4位に転落する見込みだ。これは日本の高齢化政策により厳しい試練をもたらす。

 日本政府の政策決定レベルから見ると、右傾化を加速する岸田内閣が「軍備重視、民生軽視」という「岸田路線」を根本的に変え、経済発展促進と社会保障改善により間もなく「危険水域」に入る内閣支持率をしっかり取り戻せるかは、日本の高齢者の犯罪を根本から阻止もしくは減らせるかを決める鍵になるかもしれない。これはまた日本経済・社会を停滞から繁栄へと移す唯一の活路でもある。

(筆者=孫家珅・中国社会科学院日本研究所研究員補佐)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年11月21日

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