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「アジア版NATO」、日本の偏狭な戦略観を露呈

中国網日本語版  |  2024-10-09

「アジア版NATO」、日本の偏狭な戦略観を露呈。

タグ:アジア版NATO 石破茂

発信時間:2024-10-09 15:47:07 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本の石破茂新首相が就任前、米保守派シンクタンク・ハドソン研究所に寄稿した文書が最近、物議を醸している。「環球時報」が伝えた。

この「日本の外交政策の将来」と題した文書は、「アジア版NATO」の創設に関する主張について論述した。冷戦的な陣営の対抗とゼロサムの考えに満ち、複雑で多元的というアジアの現状から逸脱し、かつ大同につき小異を残し包摂的な協力を求めるアジア諸国の需要にも合わない。果たして、この観点は速やかに日本国内、アジア諸国、さらには米国から広く反対され、疑問視された。この主張は日本の国内法と地域の現状に背き、米国の政策的目標とも合わず、実現性がまったくないというのが圧倒的多数の意見だ。外界のこの強い反応は石破氏本人にとっても予想外だっただろう。正式な首相就任後の公の場で、石破氏はこの主張を取り上げていない。空気を読み、「アジア版NATO」という構想を封印したのかもしれない。

米国は「アジア版NATO」構築に極めて慎重な姿勢を示している。バイデン政権の高官は何度もさまざまな場で、「アジア版NATO」を作るつもりはないと表明している。昨年の米日韓首脳会談後、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は米日韓安全関係が「太平洋地域における新たなNATO」ではないとはっきり否定した。オースティン米国防長官は、米国は同盟関係を重視するが、米国は「インド太平洋地域でNATOを作ろうとしているわけではない」と述べた。またアジア太平洋諸国は「アジア版NATO」に消極的もしくは否定的な態度を示している。シンガポールのリー・シェンロン元首相は公の場で反対の立場を示した。シンガポールの学者は日本メディアのインタビューに応じた際に、石破氏の文書の観点について、「アジア全体の安全組織を作ろうとする国は日本以外にない」と断言した。また世界の主流シンクタンクと学者の多くも、「アジア版NATO」の将来に期待しておらず、アジア太平洋でNATOのような集団安全枠組みを複製する条件は備わっていないとの見方を示した。また、中国に矛先を向ける陣営の対抗により、地域の中小国が立場表明を迫られることを懸念し、地域から広く認められることは難しいとした。

「アジア版NATO」は今のところ日本の現実的な政策にならないが、この主張が日本の一部の政策エリートの間で根深い冷戦思考を露呈しており、日本国内で一定の代表性を持つことに要警戒だ。この偏執的なゼロサムの対抗的な考え方は事実上、安倍内閣から岸田内閣への対外的な政策と行動でしっかり示されている。石破内閣の対外戦略が隣国敵視を続け、イデオロギーの競争と地政学的対抗を促す役割を演じれば、地域をさらに分断させ地政学的な食い違いを激化させるだけだ。これはアジアの安定的な発展に無益であり、最終的に日本に真の安全をもたらすこともない。(筆者=項昊宇・中国国際問題研究院アジア太平洋研究所特別招聘研究員)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年10月9日

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