真冬を控え、多くのグローバル自動車大手の経営が苦しくなっている。世界4位の自動車グループであるステランティスと日本勢を代表する日産自動車から人事異動の情報が伝わった。これらの異動はいずれも企業の現在の経営難と関連している。また独フォルクスワーゲングループ(VW)は、そのコスト削減計画によるストライキへの対応に追われている。海外メディアはこれについて、伝統的な自動車メーカーが電気自動車(EV)へのモデル転換において大きな挑戦に直面していることの現れとした。
ステランティスは2日、カルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)の辞任を発表した。ジョン・エルカン会長が臨時でグループを率いる。タバレス氏の任期は2026年の年初までだったが、同社の利益が急減したことから、これは業績悪化に対応するため必要な措置とされている。ステランティスはグローバル自動車メーカーで、フィアット・クライスラーとプジョー・シトロエンの合併で誕生し、多くの有名自動車ブランドを擁する。ところが在庫増と販売減の影響を受け、ステランティスの株価は今年に入り半分ほどに下がっている。タバレス氏は自社のEVへのモデル転換を促したが、EVの市場シェアは5.3%から3.5%に低下した。
またドイツ最大の自動車メーカーであるVWも苦境に陥っている。利益の大幅な減少により、少なくともドイツ3工場を閉鎖し1万人以上を削減する予定だ。これは全国範囲のストライキを引き起こし、約6万6000人の従業員がコスト削減計画に反対し抗議している。VWは労働組合からの支出削減案を拒否した。シェーファーCEOは、工場閉鎖は不可避だろうと述べた。ドイツ3大自動車メーカーのVW、ベンツ、BMWの営業利益は第3四半期に半分近くまで急減し、高い生産コストと激しい競争の圧力に直面している。
日本では、日産自動車も一連の危機に瀕している。業績悪化を主な理由とし、スティーブン・マー最高財務責任者(CFO)が退任する見込みだ。その退任を裏付ける情報は同社の株価に影響する可能性がある。日産の株価は2019年12月より47%低下しており、ムーディーズはその信用格付けを「ネガティブ」に調整。フリーキャッシュフローと利益率の悪化によるもので、これを受け日産は9000人の削減と生産能力の20%の削減を決定した。
日産は現在、在庫増と時代遅れの製品ラインナップという問題に直面しており、かつその業績悪化は主に米国及び中国市場の販売不振の影響を受けている。日産の役員は、競争が日増しに激化する自動車市場について、同ブランドには12−14カ月の生存期間があり、効果的な措置を講じ未来の生存を保証する必要があると指摘した。日本メディアは、マー氏の退任は企業の財務危機のシグナルとされる可能性があり、そのため日産は管理レベルの挑戦に直面しているだけでなく、市場環境全体の危機も収束困難と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年12月4日