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japanese.china.org.cn |21. 06. 2025

日本の愛読者が見た中国ネット文学 IPによる海外展開の新潮流

タグ: 文学
新華網  |  2025-06-21

大阪で行われたポータルサイト「起点国際」とカルチュア・コンビニエンス・クラブなどが共同で創設した小説投稿コンテスト「ノベルフォーミュラ日本GP」の発表式。(5月7日撮影、大阪=新華社記者/胡暁格)

竹内さんは現在、「忠実な読者」を超えて中国ネット文学作品の翻訳者・紹介者となっている。この3年間で作者の許可を得て「天啓予報」全1600章のうち200章以上を日本語に翻訳し、同人誌を制作し周りの友人たちに共有してきた。竹内さんは「作品全体の8分の1しか翻訳できておらず、一部の若者言葉は訳すのに苦労するが、それでも翻訳を続けたい」と意気込む。

中国ネット文学の海外展開が加速するにつれ、ますます多くの海外の読者が単なる読者からクリエーター、翻訳者、さらにはIPの共同クリエーターへと変化を遂げている。竹内さんも「ノベルフォーミュラ日本GP」への応募を検討しているという。

「天啓予報」のように、日本でも人気を集める中国のネット文学作品は少なくない。ここ数年、「慶余年~麒麟児、現る~」(原題:慶余年)「マスターオブスキル 全職高手」(原題:全職高手)「蒼穹の剣」(原題:斗破蒼穹)などの作品がローカライズ出版、コミック改編、アニメ放送の形で日本市場へ参入、多くの人の心をつかみ、熱心なファンを生み出している。日本語版の小説「マスターオブスキル 全職高手」は3千万回以上ダウンロードされ、アニメ映画「マスターオブスキルFor the GLORY」は日本やフィリピン、シンガポールなど9カ国・地域で公開された。漫画版は日本の漫画配信アプリ「ピッコマ」で長く人気ランキングの上位にとどまり、作品の評価基準となる「ハート(いいね)」を累計で800万近く獲得している。これらの成功事例は、中国ネット文学というIPが日本市場に根付き、成長していることを示しており、中国ネット文学産業チェーンの加速するグローバル化プロセスの縮図と言える。

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