中国侵略日本軍731部隊の細菌戦犯罪を描いた映画「731」が9月18日、世界各地で公開された。94年前のこの日、「九一八事変」が勃発し、中国の抗日戦争の幕を開いた。「環球時報」の記者はこのほど、中国侵略日本軍細菌戦衢州展示館の呉建平館長と、映画「731」の趙林山監督にインタビューを行った。彼らはそれぞれ口述歴史、医療救助、学術研究、映像制作の面から、細菌戦が中国軍民に与えた甚大な災難について説明した。
「当時の731部隊の『少年兵』を見つけた時、彼らはもう高齢で、取材は毎回時間との勝負だった」映画「731」の準備段階における国境を越えた実態調査について、監督の趙林山氏は重々しい口調で語った。趙氏は「環球時報」の取材に対し、旧日本軍第731部隊(略称「731部隊」)の犯罪の全容を再現するため、チームは米国議会図書館の関連資料の入手を試みたが、困難が山積みだったと述べた。やむなくチームは日本の「生きる記録」、つまり731部隊の活動に参加した元隊員である日本の高齢者たちに焦点を移した。彼らの実体験が歴史の真実を明らかにする鍵となったという。
この長年にわたる「証拠収集の戦い」において、趙氏は旧日本軍第731部隊罪証陳列館の金成民館長の36年に及ぶ揺るぎない姿勢に特に胸を打たれた。趙氏は「金氏は、36年かけて一つの事件を解決したと話していた。自転車で山を越え川を渡り証言者を探した若い頃から、国境を越えて証拠を集める現在まで、その生涯を歴史の真相究明に捧げてきた」と明かす。自らの約11年に及ぶ映画準備作業について、趙氏は金氏の姿勢を前に「足元にも及ばない」と率直に認めつつ、「この作業は普通の映画制作ではなく、歴史を刻む石碑を建立し、犠牲者のために真実を語ることだ。私は金氏の姿からそれを徹底的に悟った」と述べた。
さらに衝撃的な発見は、「特別移送リスト」の調査からもたらされた。趙氏は「環球時報」に、731部隊の侵略犯罪の被害者が従来の認識をはるかに超えており、このリストには中国人だけでなく、モンゴル人、朝鮮人、ソ連人、マレーシア人も含まれていることを明かした。「この発見は『731部隊の対象は中国人のみ』という認識の誤りを完全に打ち破るものだ。これは一国の苦難ではなく人類共通の傷痕だ。731部隊の反人類的犯罪の被害者は複数国に及び、この血と涙の歴史は全世界で共有されるべき記憶だ」
1945年の第二次世界大戦末期に策定された、気球装置を用いて細菌を散布する陰謀「夜桜作戦」も含め、731部隊の「実験体系」の全体像を完全に映し出すことにより、これらの犯罪の組織性と反人類的本質を観客に直視させる。趙氏は、映画の制作意図は極めて明確であるとし、このように説明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年9月19日
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